火山噴出物は高温であったり、高速で流れ拡がったりするために災害をもたらすことがあります。しかもマグマの性質が多様なため、噴火の起こり方や噴出物の種類も多様であり、それに伴う災害も多様です。しかしそれぞれの火山について見ると、マグマの性質はかなり限られており、従ってその火山で起こる災害も限られます。そこでそれぞれの火山で過去にどのような噴火をしたかを調べるということは将来起こる災害を予測する鍵となります。
 主な火山噴出物とそれに伴う災害を見てみましょう。
火山災害の分類


火砕流・火砕サージ
火山体崩壊・岩屑なだれ
降下火砕物
噴石・火山弾
溶岩流
マグマ水蒸気爆発・ベースサージ



火山泥流・土石流
地震による崖崩れ・落石
地殻変動
火山ガス
津波
酸性雨・エアロゾル


1983年三宅島


1993年雲仙普賢岳


1991年雲仙普賢岳
溶岩流
 高温ですが、多くの場合流速は遅く、低地に向かって流れるので巻き込まれて命を落とす可能性は少ないのです。しかし農地が埋められたり、建物が焼け落ちたりという被害は出ることがあります。
火砕流
 雲仙普賢岳の噴火で頻繁に発生してよく知られるようになりました。高温で高速の流れですから大変危険です。しかも雲仙岳とは違って溶岩ドームに関係なく発生することがあります。駒ヶ岳の歴史時代の大噴火がそうでした。
火山泥流・土石流
 積雪のある火山で噴火が始まると、噴出物の熱で雪が急速に溶け出して、火山噴出物や河床の土石を巻き込んだ破壊力の大きな流れになります。噴火によって地表に堆積した火山灰が、大雨で流されて泥流となることもあります。発生したら川沿いから高台に避難する必要があります。


1965年フィリピン タール火山
マグマ水蒸気爆発
 浅い水底や湖岸・海岸近くにマグマが上昇してくると、マグマが直接水に接触して激しい爆発をします。その結果、高速の砂嵐が周囲に吹き付けて樹木や建造物を破壊します。もちろんその場に居たら助かりません。もしもこのような噴火の兆しがあれば、緊急にその地域から脱出しなければなりません。


1983年三宅島

1997年有珠山
噴石
 噴火の勢いが激しくて、火口をふさいでいる岩石を周囲に放出することがあります。噴火の初期には噴石が出ますから、火口に近寄ることは非常に危険です。


1978年有珠山
地殻変動
 マグマが火山体の中に上昇してくることによって、火山やその周辺の地盤が徐々に持ち上がったり、ずれ動いたりすることがあります。その結果、建造物が破壊されてしまいます。

●駒ヶ岳昭和4年(1929年)大噴火の記録●

森側からの火砕流(軽石流)の流下(森町)

大沼側からの噴煙の状況(七飯町)



森側からの噴煙の状況(森町)

函館水力発電所社宅付近の惨状(鹿部町)