平成24年度 七飯町教育行政方針

1 はじめに

 平成24年第1回七飯町議会定例会の開会にあたり、平成24年度の七飯町教育行政方針の概要について申し述べ、町議会の皆様並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 はじめに、昨年の3月11日に発生した東日本大震災、福島第一原発事故からまもなく1年を迎えようとしておりますが、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われ、不自由な暮らしを余儀なくされている方々に、改めて心よりお見舞いを申し上げます。

 今日、我が国においては、地域主権の推進、少子高齢化の進行や本格的な人口減少社会の到来、あるいは長引く景気の低迷による経済情勢の悪化など、教育を取り巻く環境は大きく変化し、教育基本法が改正されて以来、これまで様々な教育制度の改正が進められ、本年度も、少人数学級の推進や教職員定数の改善が図られるなど、教育改革が大きく進められております。

 このような変化の激しい時代にあって、次代を担う子どもたちが、社会の変化に柔軟に対応し、新しい時代を切り拓く力を身に付け、他人を思いやる豊かな心を育むことができるように、教育の質を高めることや教育環境の整備・充実が求められております。
 一方、生涯教育においても、高齢化が進展する中、町民一人ひとりが生涯にわたって学び続け、健康で生きがいのある充実した人生を送ることができるよう、様々な学習機会や学習情報を適切に提供していくことが一層重要な課題となっております。

2 教育改革

 教育は、豊かな人間性と創造性を備え、社会の発展に貢献する人間を育成するという「人づくり」の使命を担うものであり、このことは、今後いかに時代が変わろうと普遍的なものであります。

 子どもたちが夢と希望を持って健やかに成長できる環境づくりは喫緊の課題であり、引き続き新たな時代に対応した「人づくり」を柱に、着実に一歩ずつ教育改革を推進します。

3 平成24年度の重点施策

 平成24年度において、七飯町教育委員会が取り組む主な施策について申し上げます。

第1 学校教育の推進

 学校教育においては、中学校で、いよいよ本年4月から新学習指導要領が完全実施されます。
 教育委員会としては、未来を担う子どもたちの「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の育成を柱とする「生きる力」を育むため、創意工夫を活かした教育活動を推進するとともに、各小中学校においては、教育課程を的確に計画・実施し、子どもたち一人ひとりについて、「知・徳・体」のバランスの取れた力の育成を目指します。

 特に、全国学力・学習状況調査や全国体力・運動能力、運動習慣等調査によって明らかとなった学校教育の最重要課題であります、児童生徒の学力向上及び体力向上対策につきましては、重点的に取り組むとともに、特別支援教育の充実や外国語教育において、小中高が連携した実践教育の推進など、新たな取組を進めます。

(1)中学校における新学習指導要領への対応
 中学校の教科書改訂に関わる教師用教科書及び指導書を更新するとともに、新たな教育課程に基づく各中学校の教育活動の推進を促進します。

(2)確かな学力の向上
 全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、各学校においては、「学校改善プラン」の確実な実践と、全国標準学力テストの活用などによる習熟度に応じたきめ細かな学習指導を推進するとともに、長期休業等を活用した補充的・発展的な学習を実施し、また、各学校共通の「家庭学習の手引」を作成し配布するなど、実効性のある取組を進める一方、読書に対する興味や関心を高める活動を推進します。

(3)教職員の研修・研究体制の充実
 七飯町教育研究所と連携し、サークル研究活動の推進や町内授業公開研究会を開催します。また、各学校の校内研修などを充実させるため、指導主事の積極的な活用を図るとともに、他機関が実施する研修会への積極的な参加を促進します。

(4)特別支援教育の充実
 特別支援教育支援員を引き続き各学校に派遣し、児童生徒に対する支援を充実させるとともに、各学校における特別支援教育の推進をバックアップします。また、幼稚園・保育所・小学校・中学校における校種間の円滑な接続を図るため、就学指導委員会と連携し、適正就学のための相談・指導の充実を図ります。

(5)小中連携モデル事業の推進
 小・中学校間の連携などを促進し、小学校から中学校への大きな環境変化に対応できないといった小・中学校間の接続の問題、いわゆる「中1ギャップ」といわれる不登校やいじめなどの未然防止等を図るため、前年度に引き続き大中山小学校と大中山中学校において「中1ギャップ」問題未然防止連携モデル事業を推進します。

(6)地域に開かれた学校づくり
  学校がより地域に開かれ、地域と学校・保護者が様々な協力関係を築いて、地域ぐるみで子どもを守る態勢づくりを進めることが「安全な学校づくり」につながります。

 そのために、各学校においては、学校の実態を理解するための地域に開かれた授業参観日の設定など、一層の「開かれた学校づくり」を推進し、学校の情報を積極的に家庭や地域に提供します。また、望ましい学校経営推進のため、学校の取組を評価し、改善に結びつける「学校関係者評価」の活動を引き続き推進します。

 保護者や地域住民が法的権限を持って学校運営に直接参加し、地域に開かれた「まちが育てる学校」づくりを進めるコミュニティ・スクール(地域運営学校)の導入について、引き続き制度運用の方策等に関する調査研究を行います。

(7)児童生徒の安全確保対策
 不審者対応、交通安全、防犯・防災に関する危機管理体制の強化を図るとともに、通学路等における不審者対策については、七飯町生徒指導推進連絡協議会や関係機関、団体と緊密な連携の下で、情報通信機器を活用した迅速な情報の提供などにより、被害の未然防止に努めます。また、新一年生に防犯ブザーを無料で配布するとともに、「子ども110番の家」の幟の設置及び通学路の安全パトロールなどを継続実施し、子どもたちが事件・事故に巻き込まれることのないよう安全確保に努めます。

(8)国際理解教育の推進
 国際社会の一員として活躍し、信頼される人材を育成するため、外国語指導助手を継続配置し、小中学校において、日本並びに諸外国の歴史や文化、伝統について理解を深める学習活動を推進します。また、町内の小学校を指定し、アメリカ合衆国マサチューセッツ州コンコードの公立小学校とインターネットを活用した学校間交流を検討します。

(9)食育の推進
 近年、偏った栄養摂取、朝食欠食など食生活の乱れや肥満・痩身傾向など、子どもたちの健康を取り巻く問題が深刻化しています。また、食を通じて地域等を理解することや食文化の継承を図ること、自然の恵みや勤労の大切さなどを理解することも重要な課題です。

 学校給食においては、栄養教諭を中心として、望ましい食生活の習慣化確立のため、家庭と連携した指導を推進するとともに、食に関する指導はもとより、地域の食材を活用した学校給食の充実を図るなど、安全で安心な給食の提供に努めます。

(10)心のサポート推進事業の充実
 不登校児童生徒の自立を促し、学校への適応を図るため、大中山コモンに開設している七飯町適応指導教室「レインボー」及び各中学校に配置している心の教室相談員やスクールカウンセラーなどを通して、不登校やいじめ問題の解消を図る、総合的な心のサポート推進事業の取組を推進します。

(11)七飯町立小中学校適正規模適正配置基本方針の見直し
 学校関係者や、町内会など教育に関わる各層の代表者で構成する「七飯町立小中学校のあり方検討委員会」の答申を受け、平成15年12月に作成した「七飯町立小中学校適正規模適正配置基本方針」の見直しを行い、新たな基本方針を作成し、これを公表するとともに、必要に応じて学校関係者及び地域の皆さんと実施に向けた協議を進めます。

(12)学校環境の整備・充実
 平成20年度から平成24年度までの5カ年計画で始まった藤城小学校の改築事業も5年目を迎え、本年度は計画どおり屋内プール及びグラウンド等の外構整備を行い、一連の改築事業を終了します。

 本年度からは、東日本大震災を教訓に七飯中学校校舎の耐震補強工事を実施するとともに、老朽化の著しい大中山小学校校舎及び屋内体育館改築のための学校周辺土地利用構想を作成し、早期の改築整備を目指します。また、老朽化の著しい学校給食センターについても、建設場所の選定、施設規模等を検討し、早期改築整備を目指します。

第2 生涯教育の推進

 活力に満ちた七飯町として発展するためには、個性豊かで創造力に富んだ人材を育成し、生涯を通じて生きる喜びが実感できる生涯学習社会の構築が重要です。

 そのためには、町民一人ひとりが地域の自然や歴史、文化に親しみながら生涯にわたり学び続けることを通じて、豊かな人間性を育むことのできる生涯学習推進体制を確立するとともに、学習機会の拡充や地域と連携した学習活動を推進します。また、子どもたちの健やかな成長のために、家庭や地域が一体となって健全育成に取り組むことのできる地域の教育力の向上に努めます。さらに、郷土の発展に欠かせない文化意識の向上と文化財の保護・活用など、文化施策を積極的に推進します。

 スポーツと健康は不可分の関係にあることから、学校や地域と連携を図りながら、健やかな心と体を育む生涯スポーツの振興に努めます。

(1)生涯学習推進体制の充実
 今日、生涯学習を取り巻く社会的状況は大きく変化し、従来の生き方や価値観、行動様式のままでは時代の動きに的確に対応できにくくなってきています。このことから、人々が時代の要請に即応し、心豊かな生活を切り開いていくためには、多様な機会をとらえて学習することが大切となります。

 そのために、町民の学習活動を支援し展開できるよう恵まれた自然や人的資源、社会教育関連施設などを十分に活用した学習環境づくりに努めます。

(2)青少年育成事業の推進
 子どもたちの健やかな成長・発達には、家庭と地域の教育力をより一層向上させていくことが必要です。

 次代を担う子どもたちの育成のため、放課後子ども教室の開設、子ども会活動やPTA活動の支援及び子どもの社会性や人間性を育むための宿泊体験、文化体験など青少年育成事業の推進を図ります。また、体力・学力の向上との関連性が高い「早寝早起き朝ごはん」運動及び「ノーゲームデー、ノーテレビデー」を推進します。

(3)「学校支援地域本部事業」活動の促進
 地域ぐるみで学校運営を支援するため、学校が必要とする活動について、地域の人々や保護者の方々の参加を募り、登下校時の安全見守り、学校農園づくりの支援、環境整備の支援や学校図書整備などのボランティア活動を行う「学校支援地域本部事業」活動の一層の促進を図ります。

(4)芸術・文化の振興
 芸術文化の振興については、町民の皆さんの関心と期待が年々高まっていることから、各種芸術文化団体等への支援を通じて、創作活動を奨励するとともに、芸術文化活動の発表の場として「パイオニアフェスティバル」、「吹奏楽祭」、「児童生徒音楽発表会」などを継続開催します。また、芸術文化活動に対する助成制度などを活用し、幅広く町民の皆さんを対象とした芸術鑑賞の機会の拡充や提供に努めます。

 特に、本年度は、子どもの頃から芸術・文化に親しみ、情操豊かな心を育むため、町内小学校全校の4年生以上を対象に、劇団四季による「こころの劇場」鑑賞の機会を提供します。

(5)文化財の保護・活用
 文化財は、風土や自然、そして、そこに住む人々の営みの中で育まれ、長い歴史の中で守り伝えられてきた町民の貴重な財産です。

 七飯町歴史館については、七飯町の生い立ち、先人の開拓者魂の伝承など、文化財の保護・活用の拠点施設としてその適切な保存に努めるとともに、文化財等の展示、歴史を学ぶ講座の開設や子どもたちの体験学習・観察会の実施など、 歴史的重みが肌で感じられるよう公開と活用を図り、郷土に対する愛着と誇りを醸成しつつ郷土に生きる「人づくり」に努めます。

(6)社会教育施設の整備・充実
 本年度は、七飯町文化センター、七飯町歴史館、大中山コモン及び北海道大沼婦人会館を対象に、省エネ・節電対策を推進します。

(7)スポーツの振興
 生涯スポーツの推進については、いつでも、どこでも、だれでもが気軽にスポーツに親しみ、楽しめるよう環境整備に努めるとともに、中高年の健康づくりや子どもたちのスポーツ離れを防止し、体力向上を目指すため、初心者向けスポーツ教室の開催などスポーツの習慣化を図ります。

 新規の事業として、本年度から姉妹町の香川県三木町と七飯町のスポーツ少年団の交流事業を新たに実施し、本年度は、夏休みに三木町のスポーツ少年団を七飯町が受け入れます。また、オリンピックイヤーとなる本年度は、(財)日本陸上競技連盟の協力により日本のトップアスリートを招き、七飯町の子どもたちと陸上競技を通じて交流を深める「キッズアスリートプロジェクト」を開催します。

4 おわりに

 以上、平成24年度の教育行政方針について申し述べました。
 無限の可能性を秘めた七飯町の子どもたちは、一人ひとりが、我が町の明日を担うかけがえのない存在です。

 この子どもたちを、自立した個人として、また、社会の形成者として成長させることは、教育に課せられた大きな使命です。
 今、時代は大きな転換期にあり、家庭環境や社会情勢が急激に変化しています。このような中で、教育の一層の振興を図るためには、学校、家庭、地域社会がそれぞれの教育力を高めながら、互いに連携し、力を合わせて取り組むことが必要です。

 教育委員会といたしましては、子どもたちが明るく、楽しく、そして元気よく健やかに成長できる教育環境づくりに努めるとともに、町民の皆さん一人ひとりが健康でいきいきとした人生を過ごすことができるよう、生涯学習の環境づくりに全力で取り組んでまいりますので、重ねて議員の皆様並びに町民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、新年度の教育行政方針といたします。
 

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