平成27年度七飯町教育行政方針

 はじめに

 

 平成27年第1回七飯町議会定例会の開会にあたり、平成27年度の七飯町教育行政方針の概要について申し述べ、町議会の皆様並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 昨年は、小・中学生の陸上競技大会で全道優勝や全国大会への出場、絵画コンクールや感想文・作文コンクールでそれぞれ優秀な成績を収めるなど、七飯町の子どもたちがスポーツや芸術・文化活動の分野で大活躍した年でございました。一方で、鶴野小学校が少子化などの影響により児童数が減少してきたことから、昨年3月31日をもって120年の長い歴史に終止符をうち、閉校となりました。

 文部科学省では、このような年少人口の減少などの背景を受けて、市町村において小中学校のあり方を検討する際の参考資料に供するため「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関す手引き」を60年ぶりに策定しました。
 また、本年度より教育委員会の責任体制の明確化やいじめ等に対する敏速な対応を図るため、新しい教育委員会制度がスタートします。
 七飯町教育委員会も、新制度の下で改めて「人づくり」を基本に「町民がきずなを深め 生きる力を育み ともに学ぶまち七飯」をめざしてまいります。
 

 教育基本方針

 

 教育は、豊かな人間性と創造性を備え、社会の発展に貢献する人間を育成するという「人づくり」の使命を担うものであり、このことは、今後いかに時代が変わろうと普遍的なものであります。
 本年度も、平成24年11月に策定した七飯町教育振興基本計画(以下「教育振興基本計画」という。)に基づき、学校教育の充実をはじめ、生涯学習の推進や生涯スポーツの振興、本町の豊かな伝統・文化の継承や文化財の保護など、引き続き新たな時代に対応した「人づくり」を柱に、子どもたちが夢と希望を持って健やかに成長できるよう、諸施策を実施してまいります。
 また、教育振興基本計画は平成27年度を持って計画期間が終了することから、新年度で現計画の検証を行い第2次教育振興基本計画を策定します。

  

 平成27年度の主要施策

 

 平成27年度において、七飯町教育委員会が教育振興基本計画に基づき取り組む主な施策について申し上げます。

 

第1 開かれた教育行政の推進

 

 本年度から施行される改正地方教育行政法に基づき、従来の教育委員会議に加えて、町長が主宰する総合教育会議が設置されます。学校の統廃合や小中連携などの重要事項については、この総合教育会議の中で基本方針を決定します。
 また、町長が議会の同意を得て直接任命する、現行の教育長と教育委員長を統合した新「教育長」は、現教育長の改選期に合わせて創設されます。
 町民の信頼に応える教育行政を推進するため、総合教育会議との連携を図り、新「教育長」のもとで責任体制の明確化や教育委員会議の充実、その権限に属する事務の管理及び執行状況の点検・評価をするとともに、積極的に教育情報の発信を行い、より開かれた教育行政の推進を図ります。

 

第2 幼児教育の充実

 

 幼児教育においては、幼稚園・保育所(園)が地域の幼児教育施設として家庭・地域との連携を進め、子どもたちが健やかに成長し健康的な生活を営むために必要な態度や食事、運動、睡眠、あいさつ等の基本的な生活習慣など「生きる力」の基礎を培う教育力の向上をめざします。

 また、幼稚園・保育所(園)と小学校の教職員が、相互に理解を深めるとともに、幼児期から児童期への発達に応じて円滑な移行を図るため、幼児教育と小学校教育との連携・接続の強化を図り、家庭(保護者)の子育てを支援します。

 

第3 学校教育の充実

 

 学校教育においては、基礎学力の向上と児童生徒の健全育成、社会の変化に対応した教育の充実、道徳教育の充実・普及に努め、家庭・地域社会との連携の下、互いに信頼し合う学校づくりを推進し、児童生徒の「生きる力」の育成に努めるとともに、児童生徒が「行きたい学校」保護者が「生かせたい学校」づくりをめざします。
 このため、学校生活を営む上で必要な規律や学習習慣、自己有用感を身につけることを重んじるとともに、自ら進んで学習に取り組む生活習慣の定着化を図ります。

 児童生徒の学力向上及び体力向上対策については、町内の小中学校連携の下、「オール七飯」で重点的に取り組みます。

  

(1)学校経営の充実

  学校評価等を生かし、教育課題解決のため、全教職員の創意が活かせる協働体制の確立に努めます。また、七飯町教育研究所と連携し、サークル研究活動の推進や町内授業公開研究会を開催、各種研修への積極的な参加等により教職員の資質向上に努めます。さらに、保護者や地域に対して、学校の教育活動に関する積極的な情報発信を行い、開かれた学校づくりを推進します。

 

(2)基礎・基本の確実な定着に向けた指導の充実

  児童生徒一人ひとりについて学習や生活習慣の課題を設定し、基礎・基本の確実な定着と活用する力を育てます。

各学校においては、前年度に引き続き「学校改善プラン」の確実な全校体制での実践と習熟の程度に応じたきめ細かな学習指導、長期休業等を活用した補充的・発展的な学習を実施します。また、リーフレット「七飯町家庭学習の手引き」の積極的な活用を図り、家庭学習の定着化をめざすとともに、基礎学力の向上を図ります。
 さらに、平成27年度からは新規に学習支援員を配置し、基礎学力の向上を目指します。

 

(3)道徳教育の充実

  命を大切にする心や規範意識を重視し、実社会や実生活との関わりを大切にした「心の教育」の充実を図ります。

このため、『私たちの道徳』」を積極的に活用するとともに、思いやりの心を育むよう地域人材講師の活用、体験ボランティア活動、福祉施設の訪問などを推進します。

 

(4)生徒指導の充実

  「いじめ」は決して許されないことであり、「どの子どもにも、どの学校でも起こり得るもの」であることを周知徹底し、定期的に児童生徒から直接状況を聞く機会を確実に設ける等、学校教育に携わるすべての関係者がいじめの兆候をいち早く察知し、解決に向け迅速に対応します。また、家庭・地域や関係機関と連携・協力し、安心できる学校づくりに努めます。さらに、「七飯町いじめの防止等に関する条例」を早急に制定し、地域をあげていじめ根絶をめざします。
 不登校対策については、これまでどおり、大中山コモン内に開設している七飯町適応指導教室「レインボー」の取組を推進します。また、道教委の委託事業により各中学校に配置しているスクールカウンセラーなどを通して、不登校やいじめ問題の解決を図る総合的な心のサポート推進事業の取組を推進します。
 さらに、校外生活における児童生徒の安全・安心の確保のため、
「七飯町生徒指導推進連絡協議会」の活動の充実を図ります。
 

(5)学校体育と学校保健指導の充実

  各学校においては、学校体育の充実を図るため、指導内容・方法の工夫による生涯スポーツの基礎づくりに務めるとともに、心の教育、性教育、食育等の推進を図り、児童生徒の健康管理に努めます。

このため、中学校の武道・ダンス授業のほか、運動部活動の指導において、必要に応じ外部指導者を活用するとともに、学校保健の充実のため、学校が主体となって、研修会や研究協議会等の開催に努めます。
 児童生徒の保健活動については、歯・口腔の健康づくりを図るため、フッ化物洗口の平成28年度実施をめざし、関係機関の協力を得ながら平成27年度において保護者、教職員等への説明会の開催等周知徹底を図ります。
 また、昨年度実施した中学生に対するピロリ菌検査については、本年度も各学校の協力を得ながら、希望者に対する検査を実施します。

 

(6)特別支援教育の充実

  特別支援教育支援員を引き続き各学校に配置し、児童生徒に対する支援を充実させるとともに、各学校における特別支援教育の推進をバックアップするため、教育委員会事務局に特別支援教育を担当する職員を配置します。また、幼稚園・保育所(園)・小学校・中学校における校種間の円滑な接続を図るため、就学指導委員会と連携し、適正就学のための相談・指導の充実を図ります。

 

(7)環境教育の充実

  児童生徒の発達段階や家庭・地域の実態を踏まえ、ラムサール条約登録湿地でもある大沼を含めた自然環境の保全などを含む、環境教育の充実を図るとともに、ごみ処理と資源活用、地球温暖化防止及び二酸化炭素の排出削減に向けた実践的態度を育成します。

 

(8)国際理解教育の充実

  国際社会の一員として活躍し、信頼される人材を育成するため、外国語指導助手を継続配置し、チームティーチングによる外国語教育の充実、小学校における外国語活動の推進を図ります。さらに、外国人留学生との交流や姉妹都市提携を結んでいる米国マサチューセッツ州コンコードとの交流の促進を図り、児童生徒の国際感覚や協調の精神の涵養に努めます。

 

(9)防災・安全教育の充実

  施設、設備、通学路の安全点検等、教職員全体で安全な学校づくりに取り組み、「事件・事故対応マニュアル」、「災害対応マニュアル」や「不審者対応マニュアル」などに基づき、実践的な防災・安全教育を推進します。さらに、地域における見守り活動や子ども110番の家、不審者情報ネットワーク等の活用により、家庭・地域・警察等関係機関と連携し、地域ぐるみで児童生徒の安全確保を図ります。

 

(10)食育に関する指導の充実

  栄養教諭による専門性を生かした食の指導により、児童生徒が望ましい食習慣を身に付けることができるよう、計画的な食育を推進します。また、「安全でおいしい学校給食」を提供するため、平成27年度から供用開始となる給食センターで、衛生管理の徹底やアレルギー対応食も含めた献立・食事内容の充実を図るとともに、安全な食材の確保と地産地消の推進のため、農畜産物など地場産品の活用を図ります。

 

(11)育英基金制度の充実

  進学の意欲と能力がありながら、家庭の経済的な理由により高校、大学、大学院及び高等専門学校等への進学が困難な学生に対して本年度から貸与金額を増額し、将来を担う有能な人材の育成に努めます。

 

12)小中高の連携による一貫教育の取組

  英語教育の推進を図るため、町内小中高等学校の教職員で組織する「七飯町小中高英語教育連携協議会」の活動の促進を図り、町内小中学校及び北海道七飯高等学校との英語教育における連携型小中高一貫教育の実現をめざします。このため、本年度も教員相互の授業参観、中学校における七飯高校教諭の出前授業の実施など、継続して取り組みます。

 

13)学習環境の整備・充実

  教育施設の安全性・快適性の確保のため、耐震化や危険校舎の改築等を行うとともに、質の高い学校教育を推進するため、学校図書や教材備品、特に情報教育に必要な情報機器の整備などを計画的に推進します。

  本年度は、大中山小学校の屋内体育館の改築を図るとともに、七重小学校旧校舎部分の耐震補強・大規模改修に着手します。

 

第4 生涯教育の推進

 

 活力に満ちた七飯町として発展するためには、個性豊かで創造力に富んだ人材を育成し、生涯を通じて生きる喜びが実感できる生涯学習社会の構築が重要です。

 このため、七飯町社会教育中期計画に基づき、町民一人ひとりが地域の自然や歴史・文化に親しみながら生涯にわたり学び続けることを通じて、豊かな人間性を育むことのできる生涯学習推進体制を確立します。さらに、学習機会の拡充や地域と連携した学習活動を推進します。

また、子どもたちの健やかな成長のために、家庭や地域が一体となって健全育成に取り組むことのできるよう、地域の教育力の向上に努めます。併せて、郷土の発展に欠かせない文化意識の高揚と文化財の保護・活用など、文化施策を積極的に推進します。
 なお、七飯町社会教育中期計画が平成27年度をもって計画期間が終了することから、改めて28年度を初年度とする計画を本年度中に策定します。

 

(1)生きがいづくりの推進

  各地域の特性に合ったサークル活動を推進するとともに。町民文化祭の開催、老人大学の開講など、地域の特色を生かした生涯学習活動を支援し、生きがいづくりを推進します。

 

 

(2)社会教育施設の利用促進

  生涯学習、地域づくりの拠点として、七飯町文化センター、七飯町歴史館、大中山コモン、南北海道大沼婦人会館及び各地区公民館が連携を図り、図書資料の充実や、公民館講座、各種サークル活動など各種事業の実施による多様な学習機会の提供により地域に密着した生涯学習機能の充実と行政サービスの向上を図ります。
 なお、老朽化が目立つ施設については、利用者の安全を確保する上からも長寿命化などの計画的な整備を図ります。

 

(3)青少年の健全育成

  青少年の非行防止に努め、体験・交流活動、社会参加活動等の充実を図り、郷土を愛し、明日の七飯町を担う心豊かで心身ともにたくましい青少年を育成します。

このため、子どもの安全・安心で健やかな居場所づくりを推進するための「放課後子ども教室」の開設、子ども会活動やPTA活動の支援及び子どもの社会性や人間性を育むための宿泊体験、文化体験など青少年育成事業を推進します。

 

(4)家庭と地域の教育力の向上

  家庭教育は、子どもの基本的な生活習慣・生活能力・豊かな情操、他人に対する思いやりや善悪の判断などの基本的倫理観、自立心や自制心、社会的マナーなどを身につける上で大変重要な役割を果たします。
 しかし、平成26年度の全国学力学習状況調査で明らかとなった七飯町の児童生徒の生活習慣は、全道全国に比べて決して好ましい状況ではなく、とりわけ学力に影響があるといわれている朝ごはんの摂取率は低く、また、
テレビやゲームなどに興じている時間は長くなっています。このため、学校と家庭、地域が連携して基本的な生活習慣の定着化を図るための運動を町の担当部局と一体となって積極的に推進します。併せて学校における読書活動を家庭での読書習慣につなぐ取組を推進します。

また、子どもたちの望ましい生活習慣の定着化を図るため、新たな事業として昨年度実施する予定であった「通学合宿」のモデル事業を本年度のはやい時期に大沼地区で取り組みます。

 

(5)芸術・文化の振興

  芸術文化、生活文化、伝統文化の各分野の振興を図り、施設の整備や既存施設の活用などによる拠点づくり、関係団体の支援・育成などを推進し、地域に根ざした個性豊かな文化の創造に努めるとともに、児童生徒に芸術文化に接する機会を提供し、情操を養い、感性の伸長を図ります。

  そのため、各種芸術文化団体等への支援を通じて、創作活動を奨励するとともに、芸術文化活動の発表の場として「パイオニアフェスティバル」、「吹奏楽祭」、「児童生徒音楽発表会」などを継続開催します。
 本年度は、子どもの頃から芸術・文化に親しみ、情操豊かな心を育むため、町内小学校全校の4年生以上を対象に、劇団四季による「こころの劇場」鑑賞の機会を提供します。
 また、芸術文化活動に対する助成制度などを活用し、幅広く町民を対象とした芸術鑑賞の機会の拡充や提供に努めます。


(6)文化財の保護・管理の推進

  文化財は、風土や自然、そして、そこに住む人々の営みの中で育まれ、長い歴史の中で守り伝えられてきた町民の貴重な財産です。数多くの文化遺産を核に、町民との協働による郷土の豊かな歴史を活かした文化の香り高いまちづくりを推進します。

  このため、埋蔵文化財の保護と調査、史跡の保存整備に努めるとともに、本年度から史跡の積極的な活用を図るための環境整備を計画的に実施します。また、埋蔵文化財等の常設展示及び民俗資料の展示施設として位置づけている七飯町歴史館については、歴史館友の会など民間団体の協力の下で文化財に対する意識の高揚を目的とした効率的な展示・活用に努めるとともに、併せて、企画展、講演会、講座等を開催し、歴史館の充実と活用を図ります。

 

(7)生涯スポーツの推進

  いつでも、どこでも、だれでもが気軽にスポーツに親しみ、楽しめるよう環境整備に努め、健康寿命の伸長のため中高年の健康づくりを推進します。また、子どもたちのスポーツ離れを防止し、体力向上をめざすため、初心者向けスポーツ教室の開催し習慣化を図ります。

  このため、各種スポーツ教室、競技会などを開催するほか、ニュースポーツの普及、町民が主体の総合型地域スポーツクラブ「ななえスポーツクラブ『ぷらっと』」の育成・支援を行います。

  本年度も4月29日(昭和の日)に「大沼湖畔駅伝競走大会」を開催するとともに、毎年開催している「トルナーレチャレンジカップU-12」を、子どもたちがより楽しめるよう川崎フロンターレ協力の下で開催します。
 また、姉妹都市提携を結んでいる香川県三木町と七飯町のスポーツ少年団の交流事業は、七飯町の柔道スポーツ少年団が9月19日から9月22日までの3泊4日の日程で三木町を訪れ、柔道によるスポーツ交流を行います。
 さらに、大中山地区のルネサス健康保険組合より譲渡される体育館をスポーツ団体に開放することにより、現スポーツセンターの機能を補完し、スポーツ機械の充実を図ります。

 

 おわりに

 

以上、平成27年度の教育行政方針について申し述べました。

無限の可能性を秘めた七飯町の子どもたちは、我が町の明日を担うかけがえのない存在です。

 この子どもたちを、自立した個人として、また、社会の形成者として成長させることは、教育に課せられた大きな使命です。

 今、時代は大きな転換期にあり、家庭環境や社会情勢が急激に変化しています。このような中で、教育の一層の振興を図るためには、学校、家庭、地域社会がそれぞれの教育力を高めながら、互いに連携し、力を合わせて取り組むことが必要です。

 教育委員会といたしましては、子どもたちが明るく、楽しく、そして元気よく健やかに成長できる教育環境づくりに努めるとともに、町民一人ひとりが健康で活き活きとした人生を過ごすことができるよう、生涯学習の環境づくりに全力で取り組んでまいります。

議員の皆様並びに町民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、新年度の教育行政方針といたします

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