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大沼の悲しい伝説

魚のすまない精進川

 銚子口の少し東方に精進川という川があり別名アメマス川ともいったようである。

 昔、その精進川の上流に、寺やしきという所があって、そこにどこからか、年をとった一人のお坊さんがやってきました。とても疲れていたらしく、じっと目を閉じ、身動きもしないで草むらにすわっていましたが、翌日になって、雨や露をしのぐための粗末な小屋を建てて暮らすようになりました。   
 
 毎日、お経を読む大きな声が響いてくるので、初めは怪しがっていた村人たちも、いつしかこのおぼうさんを敬うようになりました。

 ところがある時、心のひねくれた人がいて、お坊さんが、小屋のまわりにうえていた赤いグミの実を、塩づけにして食べているのを見て、「お坊さんのくせに、すじこを食っていた。」と、せまい村中をふれまわったので、村人たちもその言葉を信じて、お坊さんをいじめるようになりました。

 年をとったお坊さんは、それに対して言い訳もせず、ふらりとまたどこかへ立ち去って行きました。それからこの川には、魚がまったく住まなくなったといいます。
    

水藻の花

 煙吐く駒ケ岳の麓に昔アイヌ部落があった。そこには美しい娘が居た。
 紫色に澄んだ湖の村岸の部落には熊を射るにすぐれた腕を持つ勇敢な若者が居た。ある秋の熊祭りの日から二人は恋を語る仲になった。

 白百合の花のように純真な彼等にも心血を惜し気もなく注ぐ恋の日と夜が過ぎた。村の若者達はそれをどんなに嫉んだことであろう。世にも美しい娘を他の村の者に愛せられては自分達の誇りを傷つけられたようにさえ思った。

 だが、対手は付近でも名高い勇者である。うっかり手出しをしたら、ひどい目に合うので、なんとかして対手を殺して娘の愛を自分達が独占しようと考えた。  

 若者が毎夜逢いに来るには湖と島との間の丸木橋を渡らねばならぬことを知った村の青年達は、「そうだ。橋の木を切って置くのだ。それも知らずに
渡ってくると途中で折れて湖の中に落ちてしまうのであろう。」と云うような悪い相談をして来て早速に用意が調えられた。

 その夜は月が美しく冴えて居た。大沼の湖の水は清く澄んで月光を砕き、湖の周囲の木立は紫色に輝いていた。恋の若者は娘に逢うためにいそいそと歩いていた。恋の娘はその人を待つために橋のたもとに咲く月見草のほとりにただ、水の波紋に月が砕けて魚鱗の踊るように光っている。
 「あなた待ってください。私も一緒に死にます。」というかと思うとその娘は湖水の中に身を躍らせた。水は花が咲いたように開き散って美しきものを呑んだ。
 
 その翌朝村人は湖の中に不思議な花が浮び咲いているのを発見した。
  その花は今も大沼に漂い咲く水藻の花である。若き者の恋の花である。
 

お問い合わせ先

教育委員会生涯教育課文化財係(歴史館)
電話:0138-66-2181
FAX:0138-66-2182

大沼の伝説

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