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クリーン農業の取り組み

高品質野菜生産の取り組み

 だいこん・にんじんの栽培面積の増加と馬鈴薯価格の低迷に伴い、連作が多くなり、センチュウの被害が平成元年頃より目立ってきました。
 このセンチュウは「キタネグサレセンチュウ」と判明し、だいこんでは水泡状の斑点やにんじんでの奇根やコブの付着による品質低下、収量の減収が大きな問題となってきました。

 センチュウに対する農薬や対抗植物の使用などを関係機関と協議した結果、農薬を使用しないで、対抗植物(マリーゴールド)によるクリーンな農薬を実践する方向付けができました。

センチュウとはなにか

植物寄生性センチュウは全世界で220属3500種、日本では約100種が記録されています。

 キタネコブセンチュウは土壌中には2期幼虫だけが生育し、奇手根の誘引作用により、根冠部近くに集まり、口針を使って進入します。<体長は0.6mm以下です。>
 ネグサレセンチュウは野外土壌で約3年間耐久生存でき、根の皮膚部に侵入し加害し、そこから腐生菌や病原菌が二次的に繁殖します。<体長は0.5mm以下です。>

対抗植物とは何か

マリーゴールド花畑写真 対抗植物は栽培すると根辺の有害センチュウの密度を積極的に低下させる植物であり、クロタラリア、マリーゴールド、エンバク、ステビアが有名ですが、具体的報告例はわずかです。
 七飯ではマリーゴールドを利用していますが、このマリーゴールドは小型のフレンチ種(品種名アフリカントール)を使用しています。
 この花茎は7~10cmの大輪で、花色は黄色やオレンジで茎は太く、草丈は50cm~1mです。
 この根の部分にあるテルシニェルという物質がキタネグサレセンチュウに密度抑制効果を持ち、死滅させます。
 地球上の人類の営みが厳しく問われている現在、自然に優しい環境調和の立場から七飯町は各関係機関の試験データー等から検討し、農薬を使用した防除から安全でクリーンな農業を実践することとしました。

七飯町の取り組み

クリーン農業シンボルマークの画像 七飯町の具体的な取り組みとしては、平成3年(1991年)に七飯町4Hクラブ(農業後継者組織)が実験的に0.4haの栽培を行い、その後の効果の実証も手伝い平成6年(1994年)からは七飯町野菜生産出荷組合が事業主体となり「野菜品質向上対策事業」を実施し平成6年~9年(1997年)で合計175ヘクタールの実績となり、収量の増加と品質の向上に大きな成果をあげています。

 また、平成11年度には北海道の基準により認定する「北のクリーン農産物表示制度」に登録することができ、クリーン農業実施町村として、私たちの取り組みが認められました。

Yes!Clean 北のクリーン農産物表示制度

イエスクリーンロゴマークの画像北海道の恵まれた自然条件を生かしていま、北海道では土づくりを基本に農薬や化学肥料の少ないクリーンな農業技術で安心なおいしい農産物が生産されています。このマークは、クリーン農業技術によって生産され、厳しく管理された農産物に表示しております。また、「どういった技術を使って、どのように生産されたものか」わかりやすく消費者の皆さんにお知らせします。
「YES! clean」は生産者一人一人の商品に対する自信と宣言、そして消費者の皆さんに安心な農産物を提供していることのメッセージです。

ななえでのYes!Cleanの取り組み

ダイコン・ニンジン

 七飯町は函館に隣接する稲作と集約的な野菜・花き・果樹産地に畜産が加わる複合地帯で、野菜生産は水田転作が本格化した昭和40年代の後半から急速に拡大し、昭和60年代以降、共販出荷が強化されると一層伸展しました。
 特に急増したのがだいこん・にんじんで、経営耕地面積の小さいなか、作付けを年2作の集約栽培との連作によって拡大してきました。
 このため、昭和63年(1988年)頃から連作障害、キタネグサレセンチュウによる被害が目立ちはじめ、その対策としてバイデート等の殺センチュウ剤の施用も考えられたが農薬を使用しない安全な方法を模索していたとき、七飯町4Hクラブはプロジェクト活動として、センチュウ類に対して高い密度抑制効果をもつマリーゴールドに着眼し平成2年(1990年)~3年に関係機関の協力を得てマリーゴールドの防除効果を確認するとともに、品種の選定を行い、その栽培体系を確立しました。
 生産部会である七飯町野菜生産出荷組合では、これらの試験結果を踏まえ安全でクリーンな野菜生産、地域の環境保全、農村景観の美化を促進し高品質野菜生産を目指すため、平成5年(1993年)から殺センチュウ剤を使用せず、対抗植物「マリーゴールド」の導入を事業として取り組むこととなりました。

りんご

 七飯町果樹組合では、平成9年から防除回数の削減と脱化学肥料・除草剤をめざし各種取組を行って参りました。
 除草剤については、効率的除草機の導入により使用を止め、防除回数については、予察員の園内巡回やフェロモントラップによる予察や適正施肥による新梢伸長の抑制、せん定法の改善による効率的防除のための樹形づくりなどにより、従来の防除回数を大幅に削減することができました。化学肥料についても、100%熟成有機質肥料に切り替えました。
 これらの取組については、平成12年(2000年)より研修会や現地巡回により、全組合員に周知徹底され、組合員全体の取組として実施されております。
 また、平成13年度には、北海道のクリーン農業産地拡大事業にも取組み、クリーン農業の体制づくり強化を図って参りました。
北海道クリーン農業推進協議会(外部リンク)

エコファーマーとは

近年、地球規模での環境問題や、食の安全性に対する関心が高まる中で、国民全体が農業に対して、農薬や化学肥料の使用をできるだけ減らした、より安全で高品質な農産物供給を求める傾向が強まっています。
 このような状況に対応するため、国は、環境と調和しつつ持続的な生産を行うことが可能であるという農業本来の特質を十分生かすことが重要として、「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」を食料・農業・農村基本法の関連の環境3法として平成11年(1999年)7月に制定いたしました。

前段の持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」(通称:持続農業法)に基づき、都道府県知事が認定した農業者の愛称が「エコファーマー」です。
七飯町では、七飯町果樹組合に所属する31名が「りんご」について、平成17年(2005年)10月14日付けで、集団的な認定としては、北海道南部地方では始めて、北海道知事より認定を受け(認定期間は5年間)、「エコファーマー」として活躍しています。

具体的な「りんご」の栽培の技術内容

有機質資材施用技術

 化学肥料を施用せず、堆肥等の施用を少なく、熟成有機質肥料を中心とした、施肥設計を元に施用していましたが、今後、有機質肥料から、牛糞・おが屑堆肥を併用して施用し、栽培します。

化学肥料低減技術

 もともと、化学肥料は施用していませんでしたが、今後とも化学肥料については、施用せずに栽培します。

化学農薬低減技術

 イエスクリーン農産物栽培基準を遵守し、フェロモントラップを活用した、予察等を実施し、的確な防除を行い、防除回数の削減に努め、栽培します。
 
七飯町のエコファーマーの方達の写真

お問い合わせ

農林水産課農水振興係

電話:0138-65-5793

FAX:0138-66-2054

Eメール:221-nousui-s@town.nanae.hokkaido.jp

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