平成25年度 七飯町施政方針
七飯町長 中宮 安一
1 はじめに
平成25年第1回七飯町議会定例会の開会に当たり、本年度の町政執行に臨む基本姿勢と施策の一端を申し述べ、町議会の皆様をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。本年度は、町長に就任して2期目の最終年度を迎えます。
この3年間、厳しい経済情勢ではありましたが、町政の発展と町民の福祉向上のために全力で取り組み、「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」の実現を目指してまいりました。
この間、町議会の皆様をはじめ、町民の皆様にいただいたご支援に、改めて感謝を申し上げます。
さて、昨年は、近年にない大雪や記録的な残暑など、異常とも言えるような気象に戸惑いを感じた年であったように思います。
一方で、北海道新幹線の札幌までの着工認可により起工式が挙行され、また、北海道縦貫自動車道が大沼公園インターチェンジまで開通し、さらには、先人が大切に守ってきた大沼の自然環境が貴重な湿地であると世界的に認められ、ラムサール条約登録湿地の指定を受けるなど、大変嬉しい出来事がありました。
これらのことは本町に与えられた絶好の機会と捉え、この好機を逸することなく、賑わいのあるまちづくりを進めていかなければなりません。
昨年度においても、町長出前講座をはじめ町内の各種団体の会合に可能な限り出席させていただき、地域の皆様と対話の機会を設けることに努めてまいりました。
席上、町政に対する貴重なご意見や勇気をいただき、時にはお叱りの言葉もいただきましたが、町民の皆様の生の声としてしっかりと胸に刻み町政を推進してまいりました。
今後においても、七飯町が持つ限りない可能性に大輪の花を咲かせ、豊かな実が結ぶよう、町議会の皆様及び町民の皆様と英知を結集し、将来にわたって明るい未来を築ける基盤づくりに取り組んでまいりますので、何卒、お力添えを賜りますようお願い申し上げます。
2 町政に臨む基本姿勢について
私が目指していることは、生涯を通じて誰もが健康で安心して暮らし続けることができる「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」を町民の皆様とともにつくり上げていくことです。町民の皆様が将来に不安を抱くことのないように、保健・医療・福祉の充実や安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを推進していくとともに、高齢になっても積極的に社会活動に参加し、いつまでも現役の気分を持ち続けていくことができる環境を整えてまいります。
また、生活基盤の確立のために、農業や観光などの基幹産業をはじめとする各種産業の振興と地域経済の活性化を図っていかなければなりません。
そのためにも、町内の関係団体と連携し、七飯町の安全で安心な農産物などの物産及び観光資源を積極的に宣伝し、本町の知名度を高めていくことに努めてまいります。
一昨年の東日本大震災では、誰もがただただ驚くだけで、突然の自然の猛威を前にして為すすべもなかったことと思っています。
特に、原子力発電所の事故は、見えないものとの闘いで、被災地の方は不安と恐怖にさいなまれたばかりか、東日本大震災により、今でも32万人もの方が住み慣れた地域に戻れず避難生活を強いられていると聞いております。
安全・安心の確保は、行政の最も基本的な責務であり、また、町民の皆様の最大の願いであると考えております。
本町は自然災害が少ないと言われておりますが、災害は必ず来るということを前提に、町民の皆様の防災意識の高揚と、防災・減災対策や消防力の強化に取り組んでまいります。
本年度の一般会計の予算規模は91億円で、前年度に比べて4千万円、率にして0.4パーセントの減といたしましたが、依然として一般財源の増が見込めない中での予算編成となりました。
国民健康保険をはじめとする5特別会計の予算総額は、69億8,520万円で、前年度に比べて1億7,890万円、2.6パーセントの増といたしました。
来年度以降には、緊急時の出動拠点となる消防署庁舎の改築、老朽化した大中山小学校の改築、さらには学校給食センターの改築を控えており、後年度における財政負担を十分考慮しながら財政運営を図り、健全財政の堅持に努めてまいります。
予算の詳しい内容については、予算審議の際にご説明を申し上げてまいります。
3 主要施策の推進について
本年度の主要施策について、第4次七飯町総合計画の施策の大綱に基づいてご説明申し上げます。第1 くらし充実・のびのび安心のまちづくり
道路・交通ネットワークの整備や消防・防災体制の充実など生活基盤充実の分野です。北海道新幹線は、平成27年度末の開業に向け、鶴野高架橋や飯田高架橋などが完成し、函館総合車両基地建設も着々と進捗しております。
札幌までの早期開業と総合車両基地のフル稼働に向けた要望活動や小学生を対象とした新幹線体験ツアー事業など、啓発活動の取組などを一層進め、開業の機運を高めてまいります。
また、北海道縦貫自動車道が、昨年11月に大沼公園インターチェンジまで開通し、道内の旅客や物流の主要ターミナルからの交通アクセスが短縮され、大沼観光の振興や農産品などの物流の拡大及び高速化が図られ、地域活性化がますます期待されます。
これら新幹線と高速道路網の整備により、七飯町の将来を見据え平成21年(2009年)3月に策定した「新幹線と高速道路網を活用する基本計画」に基づき、昨年度は「藤城峠下地区振興計画」を策定しましたので、本年度は土地利用も含めて具体的な振興策を検討してまいります。
道路整備については、道道である大沼公園鹿部線、大野大中山線及び新函館停車場七飯線(仮称)の整備促進について、関係機関に引き続き要望してまいります。
現在、整備中の道道大野大中山線に、街路計画路線である中島臨工通の一部を道道に昇格させ、継続して整備するよう強く要望してまいります。
また、町道及び生活環境道路の整備については、社会資本整備総合交付金事業で2路線、地方特定道路整備事業で1路線、単独事業で7路線の整備を進めるとともに、北海道新幹線関連事業として1路線の測量設計と1路線の改良舗装工事等を実施してまいります。
河川については、北海道が事業主体となっている二級河川久根別川広域基幹改修事業及び大沼環境整備事業並びに藤城川、軍川等の砂防事業の整備促進について、引き続き関係機関に要望してまいります。
七飯町管理の河川については、軍川地区排水路整備工事の他3河川の維持、改修工事を実施してまいります。
また、昨年、大雨により二度にわたって災害が発生した湯出川については、国道5号及びJR函館本線の横断管の増口径等による改良を函館開発建設部及びJR北海道に対し要望してまいりますが、一日も早く地域の皆様が安心して暮らすことができるように、町としても、測量設計を実施してまいります。
町営住宅については、良質な居住環境を再生するために、七飯町公営住宅長寿命化計画に基づき「冬トピア団地」の改修工事を実施し、早期着工、早期完成に努めてまいります。
市街地の整備については、空洞化防止や街並み景観維持、防犯などの観点から、七飯町住生活基本計画を基に、昨年度から「ななえ空き家・空き地バンク」制度を実施しておりますが、本年度も継続して町ホームページ等を活用し、事業を推進してまいります。
また、北海道新幹線開業をにらんだ北関東などからの移住定住促進を図るため、北海道移住定住促進協議会と連携し、短期滞在用体験住宅による「ちょっと暮らし体験事業」をモデル的に実施してまいります。
さらに、身近な地域交通である鉄道や路線バスの公共交通は、通勤や通学など移住者のみならず町民の皆様にとって欠かせない交通手段になっていることから、国、北海道及び近隣市町と協調し、バス生活路線の維持に努めてまいります。
一方で、毎年、多くの人が交通事故により死傷しています。
一人ひとりが、交通ルールを守り、交通マナーを実践して交通事故を無くしていかなければなりません。
交通事故ゼロを目指し、家庭、学校、地域そして関係諸団体などが総ぐるみで取り組めるように積極的に交通安全運動を推進してまいります。
また、子どもや高齢者をはじめとした全ての町民の皆様が、犯罪や事件・事故に巻き込まれることのないよう、広報誌やホームページにより注意を促すとともに、イベントや街頭での啓発、公用車に青色灯をつけたパトロール活動の取組など、被害の未然防止に向け、警察、地域、関係団体等との連携を一層密にしながら、安心して暮らせるまちづくりを目指してまいります。
防災・減災対策については、東日本大震災の教訓を踏まえ、七飯町地域防災計画及びハザードマップを町内会をはじめとする各関係機関に配付するとともに、町民の皆様の防災意識向上に努め、また、災害に備えて非常食などの備蓄品を増強してまいります。
さらに、七飯町耐震改修促進計画により、昭和56年(1981年)以前に建築された一般住宅の簡易耐震診断を無料で実施してまいりましたが、本年度から更に建築物の地震に対する安全性の向上を図るため、耐震診断助成制度を設けてまいります。
消防については、町民の生命と財産を守るため消防力の強化が必要なことから、昭和48年(1973年)に建設され、老朽化が著しい消防署庁舎の改築に向けて実施設計や用地購入を行い、平成26年度に工事の着工を目指してまいります。
また、平成17年度に購入し、老朽化による故障が目立つ高規格救急車を更新し、消火栓を3基新設するなど消防施設の充実を図ってまいります。
第2 うつくしさ満喫・かいてき確保のまちづくり
環境保全、上下水道や公園整備に関する分野です。昨年7月にラムサール条約の登録湿地となった大沼国定公園の豊かな自然環境と美しい景観を未来に向かって保全するため、自然環境を担当する職員を大沼地区に常駐させ、地元関係団体等との対話を深めながら、国内外へ向けた環境保全に関する情報を発信するとともに、環境保全に関する施策を積極的に推進してまいります。
大沼の水質保全対策としては、昨年実施した苅澗川の自然浄化活用事業の水質調査を実施し、事業の検証を行うほか、軍川については、周辺からの濁水流入を緩和する施設整備に取り組むとともに、大沼環境保全対策協議会を構成する関係機関と連携し、湖水や流入河川の監視と測定を継続して実施してまいります。
また、北海道と連携し、大沼国定公園内の環境整備の推進に努め、ヨシを植栽した浮島を設置し、魚類等の生息環境の保全に取り組んでまいります。
生活排水対策については、下水道処理区域外における合併処理浄化槽の設置を促進するため、昨年度から合併処理浄化槽設置補助金の対象を拡大しておりますが、なお一層の普及促進を図るため広報・啓発活動に努めてまいります。
昨年の夏、電力供給量の問題により全国で節電対策が行われ、町民の皆様や企業の皆様のご協力により、計画停電を回避することができましたが、引き続き節電への取組が求められております。
省エネ・節電対策に加えてエネルギー自給量の確保に対する取組として、一般住宅等を対象とする「太陽光発電システム設置補助金制度」を創設し、自然再生エネルギーの普及に向けて町民の皆様の意識の高揚を図ってまいります。
廃棄物対策については、環境及び資源保護に配慮した循環型社会の構築を目指して、ごみの発生抑制・減量化、分別の徹底、不法投棄の防止等を町民の皆様や事業者の皆様と一体となって取り組んでまいります。
水道事業については、安全な水道水を安定的に供給するため、大中山管理棟に濁度、色度測定装置を新設し、水源の監視を強化してまいります。
また、水道施設の老朽化対策として、配水管更新基本計画に基づき、七飯上水道、藤城・大沼簡易水道区域内の老朽管布設替工事や深井戸水源の取水ポンプ等の更新事業を実施してまいります。
下水道については、総合車両基地からの汚水管渠整備工事の本年度完成を目指し、また、中野地区では汚水管渠新設工事を継続してまいります。
大沼下水浄化センターは、年次計画に基づき機械・電気設備の更新事業を実施してまいります。
町民の憩いの場としてご利用いただいている児童公園等については、七飯町公園施設長寿命化計画に基づき、昨年度実施した「本町見晴公園」の遊具施設の改築更新に引き続き、「おおかわ児童公園」の改築更新を実施してまいります。
火葬場については、老朽化した火葬炉の耐火物積替補修工事を昨年度に引き続き、本年度は2号炉について実施してまいります。
また、墓地については、昨年度に引き続き、未使用墓地の返還制度を継続していくほか、側溝にフェンスを設置し、墓地内の安全な環境整備に努めてまいります。
第3 やさしさ溢れ・いきいき現役のまちづくり
保健・医療・福祉の分野です。健康は、何ものにも代えがたい財産です。
成人保健については、各種検診事業を推進し、自らの健康は自らが管理できるよう健康づくり教室や町民医学講座を実施し、健康に対する意識の高揚を図ってまいります。
乳がん、子宮頸がん及び大腸がん検診については、国のがん検診推進事業を活用して推進し、本年度は新たに40歳と60歳を対象に、胃がん、肺がん及び前立腺がんの検診の自己負担分を廃止して、受診のきっかけづくりに努めてまいります。
疾病予防については、麻しん風しんなど乳児幼少期に必要な定期予防接種のほか、定期予防接種化となる子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンとあわせて、接種率の向上に努めてまいります。
母子保健については、安心して子どもを産み育てられるよう、引き続き14回の妊婦健康診査を公費負担とし、乳幼児健康診査及び訪問事業の充実を図り、母子の支援に努めてまいります。
また、妊婦を対象とした講座を開催し、出産前からの子育て支援を行ってまいります。
医療体制については、町内各医療機関との連携による休日の診療体制の確保と、函館市夜間急病センター及び二次輪番病院との連携による夜間の急病に対応できる体制確保を継続して実施してまいります。
現在、道央圏、道北圏、道東圏にドクターヘリが配備されておりますが、道南圏が未整備圏域となっていることから、関係機関と連携してドクターヘリの導入を目指してまいります。
医療費助成については、重度心身障がい者、ひとり親家庭、乳幼児等の助成範囲を北海道の施策より拡大して行っておりますが、本年度も引き続き、北海道の基準に上乗せした医療費の助成を行ってまいります。
国民健康保険特別会計については、医療の高度化や被保険者の高齢化などにより医療費が増加しており、運営は厳しさを増しております。
国民健康保険税の収入確保は負担の公平性からも重要であり、これまで同様コンビニ収納、口座振替の奨励を進めるとともに、きめ細やかな納税相談や滞納者に対する滞納処分などにより収入の確保に努めてまいります。
また、予防のための健診を積極的に推し進めるため、特定健診においては、40歳と60歳の方の自己負担を廃止して、受診を促してまいります。
さらに、従来から実施している人間ドック、脳ドック及び高齢者インフルエンザ予防接種助成事業を継続し、自らの健康管理に対する意識を高めるとともに、疾病の早期発見、早期治療により増加する医療費の抑制に努め、国民健康保険特別会計の健全運営を目指してまいります。
福祉施策については、本年度も引き続き第3期総合保健福祉計画に基づいて実施してまいります。
本年度は、高齢者の社会参加と健康維持・増進を図るため、ボランティア活動や健康保持のための活動等を行った場合に、ポイントを付与し、地域商品券(アップル商品券)と交換することができるポイント制度(仮称)を導入し、地域のボランティア事業を担っている社会福祉協議会と連携しながら進めてまいります。
また、本年度も小型除雪機械を購入し、高齢の方や障がいのある方が安心して暮らせる環境づくりを行ってまいります。
さらに、社会福祉協議会、民生委員・児童委員、町内会、事業所等との連携を一層深め、高齢の方や障がいのある方など、いわゆる社会的弱者と言われる方々が地域で孤立しない取組など地域福祉の充実に努めてまいります。
高齢者福祉については、本年度も引き続き入浴割引や米寿、喜寿を迎える方には敬老祝品を、百歳を迎える方には敬老祝金を贈呈してまいります。
高齢者の自主的な組織である老人クラブや老人クラブ連合会、高齢者自らが企画したローレンピックなど、高齢者の自主的な活動に対する支援を行うとともに、組織への参加を働きかけてまいります。
また、七飯町高齢者安心ネットワーク事業の地域への浸透を図るため、模擬訓練の継続実施とあわせ、認知症のサポーター養成講座を開催してまいります。
介護保険事業については、介護等が必要な人の尊厳を守り、能力に応じ自立した日常生活を営むことができることを基本理念とし、介護予防事業による高齢者の健康増進に取り組んでまいります。
また、地域包括支援センターについては、増え続ける介護予防支援のほか、ひとり暮らしや認知症高齢者の増加により年々複雑化する相談に対応していくため、運営形態を直営から民間事業所へ委託する方向で検討を進め、町と民間事業所が共同し、国が推進する地域包括ケアシステムの実現に向けて取り組んでまいります。
障がい者福祉については、障がいのある方が地域の中でいきいきと暮らしていくための自立支援、就労支援、当事者団体の活動支援などの取組を進めてまいります。
障がい者福祉サービスについては、障がい者の自立を推進するため、相談支援事業者やサービス事業者等と連携し、適切なサービスを提供してまいります。
また、精神障害者通所授産施設「ぽぽろ館」は、次回の指定管理の更新時期に向けて「ぽぽろ館」の運営のあり方について検討してまいります。
子育て支援については、生後4か月までに訪問を行う「こんにちは赤ちゃん事業」と、赤ちゃんと保護者が絵本を介してゆっくりと心を触れ合うひと時をつくるための「ブックスタート事業」を引き続き推進するとともに、子育てに役立つ情報を「子育て応援メール」で配信してまいります。
町内2か所の「子育て支援センター」については、地域の子育て支援の拠点として、子育てに関する相談や育児サークルを推進してまいります。
大沼地区においては、引き続きちびっこ広場を開設し、子育て支援を推進してまいります。
幼児期の教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進していくための子ども・子育て関連3法が成立し、平成27年度に施行されることから、本年度は子ども・子育て会議を設置し、子ども・子育て支援事業計画の策定に向けたニーズ調査を実施し、円滑に新制度に移行できるよう準備を進めてまいります。
児童虐待防止については、情報の収集や児童相談所、教育委員会、保育所等関係機関と情報の共有化を図り、虐待を未然に防ぐため、子育て支援ネットワーク会議を活用してまいります。
学童保育クラブについては、指定管理者及び民間事業者との連携を密にし、放課後児童の安全・安心、健全育成、子育て支援など効果的な運営に努めます。
また、本年度より、新たに峠下地区に町営の学童保育クラブを開設するとともに、大中山地区には2か所の民間学童保育クラブの開設が予定されており、その運営を支援してまいります。
病児保育については、対象者への周知に努めるとともに医療機関との協力体制を図り、病児保育事業を推進します。
食を通じて、子どもの健やかな発育、発達を促すとともに、食べることの楽しさや栄養バランスの大切さの理解を深めるために、親子の食育教室を実施してまいります。
第4 すくすく育ち・地域に貢献のまちづくり
教育・文化などに関する分野です。義務教育は、子どもたちに確かな学力と体力を身につけさせ、そして、道徳性を養っていく責任を担っています。
正に、昔から言われているように、子どもはよく学び、よく遊び、心身ともに健やかに育つことです。
しかし、全国的にいじめなどの問題行動が起こっており、義務教育をめぐる状況は深刻になっています。
陰湿ないじめによって、子どもが涙を流すことがないような体制をしっかりとつくっていかなければなりません。
生涯教育は、こころの豊かさを示すバロメーターです。
町民の皆様には、余暇を利用して積極的に生涯学習の活動に参加していただいておりますが、自らに適した学習が行われるよう多種多様な学習環境を整え、より広く参加の機会を提供できるよう努めてまいります。
教育施設の整備については、大中山小学校改築に向けて基本設計に着手してまいります。
また、学校給食センターの改築についても具体的に検討を進めてまいります。
教育行政方針については教育長より示されますが、その方針を尊重してまいります。
国際交流事業については、昨年10月及び11月に実施した米国・マサチューセッツ州コンコード町との姉妹都市提携15周年を記念した行事を無事に終えることができました。
これもひとえに町議会の皆様をはじめ、関係各位の温かいご理解の賜と厚くお礼申し上げます。
本年度も中・高校生の語学研修及び町民の文化交流事業推進のため、中・高校生8名と町民の代表3名をコンコード町に派遣してまいります。
また、夏の風物詩として定着した財団法人北海道国際交流センター主催の「国際交流夏のつどい」は、異文化を理解する交流事業として本年度も継続して支援してまいります。
第5 はつらつ働き・豊かさ実現のまちづくり
産業振興に関する分野です。農業については、農業者の高齢化や担い手不足、そしてTPP問題など厳しい状況が続いております。
一方、農業は本町の基幹産業であり、農業の発展なくして本町の発展はないといっても過言ではありません。
このため、活力溢れる力強い農業・農村づくりに向けて取り組み、夢と希望を持ち、安定した経営が期待できる元気な農業を推進してまいります。
国の制度として実施している経営所得安定対策事業や経営体育成支援事業、環境保全型農業の推進に加え、JA新函館と連携している振興作物定着促進事業やクリーン農業推進対策事業を引き続き推進するとともに、耕畜連携の取組を強化し、地域住民の理解を得ながら、有機質肥料による土づくり等の循環型農業を推進し、産地の差別化、高品質で安全で安心な農畜産物の安定生産を図り、農業経営の改善に努めます。
また、持続的な農業振興を図るため、人・農地プランの積極的な活用とあわせて、地域の中核農家である認定農業者等が実施する補助制度に対する上乗せ助成を行い、農業経営の安定と後継者の育成及び確保を図ってまいります。
さらに、農地等を災害から守るため、表土の流出防止を兼ねたモデル事業を実施し、その効果が期待できるようであれば、平成26年度から補助事業として実施してまいります。
あわせて、排水対策や農道整備を実施するとともに、事業規模に応じて道営事業等での実施を要望してまいります。
豊田南部地区の道営経営体育成基盤整備事業は、本年度換地処分業務を行い、事業の完了を目指してまいります。
また、平成6年(1994年)に完了した渡島東部地区については、事業完了後18年が経過し、軟弱地盤であるがゆえに土地の不陸や用排水機能の低下など営農活動に支障が生じていることから、本年度調査設計を行い、平成26年度からの事業実施を目指します。
畜産・酪農については、国外において口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザがいまだに発生していることから、自衛防疫組合や関係機関と連携を図り、伝染病の蔓延防止に努めてまいります。
また、経営環境の改善のため、酪農ヘルパー制度の利用に対する助成制度を実施してまいります。
町営牧場の道営草地整備事業は、本年度完成を目指します。
林業については、林業従事者の高齢化や後継者不足等で適切な森林整備の遅れが懸念されていることから、国の助成制 度を活用して森林整備に取り組むとともに、地元産木材については、公共用の建物等への活用やハウス暖房の補助燃料としての利用拡大を図ってまいります。
大沼の内水面漁業については、資源確保のためにも水質改善が喫緊の課題であることから、水質改善のための方策を検討・実施してまいります。
商工業の振興については、地場産品の販路拡大と特産品の開発など、民間事業者が積極的な活動を行うための新たな協議会を設置するとともに、商・工・農業者が連携して七飯町産品のピーアールと販売促進を図る物産イベント等へ積極的に参加してまいります。
また、中小企業の経営安定と経営基盤強化を図るため、七飯町商工会との緊密な連携のもと、商工業者の資金繰りを支援する商工業経営安定資金融資保証料補給金及び利子補給制度を継続してまいります。
観光については、北海道新幹線の開業を見据え、駒ケ岳・大沼を中心とした自然景観、地場産品の食を生かした新商品、新メニューの開発に努めながら、近隣の市町とも連携して首都圏や北関東、南東北地域において観光物産キャンペーンを実施してまいります。
また、地域の観光資源を生かした体験型・滞在型旅行商品の開発を促すとともに、ホスピタリティの向上を図り、滞在型観光の拡充に向け、一般社団法人七飯大沼国際観光コンベンション協会と連携してさらなる誘客促進に取り組んでまいります。
さらに、環駒ケ岳広域観光推進協議会が実施する広域観光事業を支援し、環駒ケ岳地域への観光客増加に向け、地域と連携した活動を積極的に推進してまいります。
海外からの観光客については、昨年作成した4か国語の海外誘客用DVD及びパンフレットを活用して、大沼の自然、食、地域イベント等の情報発信を行い、海外からの誘客に努めてまいります。
昨年オープンした城岱牧場展望台は、七飯地域と大沼地域を結ぶ観光ルートの中間に位置し、景観も良好なため多くの観光客が訪れ好評をいただいております。
本年度は、誘導案内板の表示や物産の販売など、施設の充実に努めてまいります。
雇用については、新幹線関連の建設業や福祉関連事業での求人があるものの、地域における雇用情勢は依然として厳しい状況が続いております。
このようなことから、雇用相談や雇用情報の収集と提供に努め、ハローワークや南渡島通年雇用促進支援協議会と連携した就業支援を強化してまいります。
峠下流通関連団地については、7年間で約8割の土地を売却し、現在5社の企業が立地しております。
北海道新幹線の開業や高速交通体系をいかす地域性を前面に押し出し、残りの区画地の完売を目指して誘致活動を推進し、あわせて企業誘致による雇用の拡大と地域活性化を図ってまいります。
第6 みんなで集い・着実に前進のまちづくり
協働のまちづくりの推進やコミュニティの育成に関する分野です。町民の皆様の視点で行政を執行するために、平成21年度から町長出前講座を実施してまいりました。
昨年度は町内会など6団体の要請をいただき、各地域にお伺いし町政や地域で決めたテーマについて対話してまいりました。
協働のまちづくりを推進していくために、本年度も積極的に取り組んでまいります。
また、活力のあるまちづくりを進める上で重要なことは、議会の皆様や町民の皆様と行政が協力し合い、自ら考え、行動し、汗を流す町民主体のまちづくりであると考えております。
本年度も引き続き、七飯町活力のあるまちづくり推進基金を活用した地域の環境整備や交流活動など、地域力の育成に貢献する事業を支援してまいります。
その一つとして、七飯町商工会が中心となって実施している「あかまつ街道納涼祭」が、七飯町民の夏祭りとして、商工事業者や住民間の交流の場として発展するよう支援してまいります。
次に、少子高齢化が進む本町は、高齢者世帯の増加や介護・育児等から外出が困難で日用品や食料品等の生活必需品の調達に苦慮されている方も多いことから、国や北海道等の支援事業制度を活用して「安心の御用聞き」等の買い物支援事業を行う事業者に対し、町の新たな支援制度を検討し、商業活性化と安全・安心に繋がる地域コミュニティづくりと生活基盤づくりを推進してまいります。
町財政の根幹である町税については、納税に対する意識の啓発や不公平感の解消のため、法に基づく滞納処分を更に強化するとともに、未収金の縮減を目指します。
行政経営については、さらなる行政の簡素化・効率化を図り、限られた予算で最大の効果を挙げることに努め、地域と行政の協働のもと行政改革を着実に進めます。
4 むすび
以上、平成25年度の町政執行に対する所信と主な施策の概要について申し述べてまいりました。
四季折々にそれぞれの顔をのぞかせる七飯町の自然環境は、住む人にうるおいと活力を与え、また、交通網の整備により多くの方に移り住んでいただき、着実に発展を遂げてまいりました。
今日の町勢を築いていただいた先人に、心より敬意と感謝を申し上げるとともに、先人から引き継がれた本町をさらに大きく発展させていくための歩みをしっかりと進めていくことが私に与えられた使命であると考えております。
まちづくりは、町民の皆様が主役です。
これまでも町民の皆様との対話を大切にし、常に町民の皆様と同じ目線に立ち、町政を進めてまいりました。
引き続き、町民の皆様が安全に安心して暮らせる「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」を目指し、全職員が一丸となって全力で町政運営に当たってまいりますので、議会の皆様及び町民の皆様の限りないご助言とご指導、そして、ご協力を重ねてお願い申し上げます。
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