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平成30年度 七飯町施政方針

七飯町長 中宮 安一

1 はじめに

 平成30年第2回七飯町議会臨時会の開会に当たり、本年度の町政執行に臨む基本姿勢と施策の一端を申し述べ、議会の皆様をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 4月8日に行われた町長選挙において、多くの町民の皆様より温かいご支持、ご支援をいただき、4期目の町政運営を担わせていただくことになりました。
 このことは、多くの町民の皆様に3期12年の町政の取組に対して一定の評価をいただいたものと思い、感激もひとしおであると同時に、責任の重さを痛感しております。

 これまで「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」の実現を目指し、安全で安心なまちづくりに努めてまいりましたが、この度の町長選挙を通して、力強い激励や厳しい意見を賜りました。
 このことを肝に銘じながら、北海道と命名されてから150年という節目の年に、更なる七飯町の発展のために誠心誠意努めてまいりますので、議会の皆様及び町民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2 町政に臨む基本方針

 “夢と希望と可能性”に溢れた「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」の主役は、町民の皆様です。

 平成23年(2011年)3月11日発生の東日本大震災や平成28年(2016年)4月14日発生の熊本地震において、優先すべき人命の尊さ、大きく問われた安全・安心の確保は、まちづくりを進める上で、行政の最も基本的な責務であるとの信念に基づき、老朽化により耐震基準を満たさない学校や消防庁舎などの大型公共建築物の改築にスピード感を持って手掛けてまいりました。

 その結果、基金の取り崩しなどにより、厳しい財政状況とはなりましたが、学校や避難所となる公共施設の安全・安心が確保されました。
 また、新幹線関連企業などの立地による雇用の増加や子育て世帯の転入により、全国的に人口減少が大きな課題となっている状況において、七飯町は平成29年(2017年)の転入超過が全道で5位となるなど、人口減少が微減に留まりました。今後も、地場産業の育成や企業誘致などを行い、雇用の場を確保し、人口減少対策に努めてまいります。

 また、「交流の場」「活動の場」「避難施設」などの機能を備えた地域の活性化施設として、本年3月23日に開業しました道の駅「なないろ・ななえ」は、開業に当たり多くの方に支えられ、予想を上回るお客様で推移をしています。今後も積極的に情報発信に努め、地域経済への波及効果を高めるとともに、町民の皆様に愛され親しまれる道の駅にしてまいります。

 平成30年度の町政に臨むに当たり、これまでと同様に、町民の安全・安心の確保を最優先としてまいりますが、そのためには安定した財政運営に努めなければなりません。急激な人口減少が喫緊の課題として叫ばれている中で、いかにして人口を維持できるかが大きなポイントとなることから、これまでの政策効果を検証しつつ、選挙公約の実現に向けて、平成27年度に策定した「七飯町まち・ひと・しごと創生総合戦略」で示した次の4つの基本的視点を掲げ、具体的な施策を実行してまいります。
  1. 子どもを安心して産み・育てていける。
  2. 住み続けたいと思える生活環境を整える。
  3. 食や観光をはじめとする力強い産業と雇用の場をつくる。
  4. 七飯町らしさを活かして人を呼び込み・呼び戻す。
 詳細な施策については、主要施策でご説明申し上げますが、事務事業の優先順位を見極めながら、一般会計における骨格及び政策予算の合計は、114億2千5百万円の予算を編成いたしましたので、ご理解ご協力のほどお願い申し上げます。

3 主要施策の推進について

 本年度の主要施策については、町政運営の指針であります第5次七飯町総合計画の基本構想及び基本計画に沿ってご説明申し上げます。

第1 安全・便利なまち

 道路の整備、住宅の整備、暮らしの安全対策の推進、情報基盤の整備などにより、安全で便利なまちづくりを目指します。

 はじめに、道路・交通ネットワークの整備について述べてまいります。
 新函館北斗駅までの連絡道路として引き続き整備中の町道飯田町8号線については、社会資本整備総合交付金を活用し整備を進めるほか、北海道縦貫自動車道の早期開通、西大沼地域の国道5号における片側2車線化工事の整備促進、道道の大沼公園鹿部線及び大沼公園線並びに大野大中山線の整備促進、大中山駅前通りの早期着手についても、引き続き要望してまいります。

 町道整備については、改良舗装工事、橋梁の修繕や点検を行うほか、昨年のような記録的な豪雪への対応として、除雪体制の抜本的な見直しなどを検討し、関係機関との連携を密にしながら、安全で安心な交通網の形成に努めてまいります。

 鉄道や路線バスなどの地域公共交通については、通勤や通学など生活に欠かせない交通手段であることから、国や北海道並びに近隣市町と協調し、その維持に努めるとともに、バス路線の再編やICカードの導入事業が完了したことによる運用促進に対応し、より身近に利用しやすい地域公共交通網の充実に取り組んでまいります。

 河川については、北海道が事業主体の久根別川広域河川改修事業、藤城川や軍川、蒜沢川などの砂防事業の整備促進、また、水無沢川砂防事業の新規着手について関係機関に対し要望してまいります。
 また、地域づくり総合交付金による軍川下流排水路整備事業については、今年度が最終年度となっておりますので、引き続き施工してまいります。

 次に、住宅・市街地の整備について述べてまいります。
町内の空き家・空き地については、バンク登録数の充実を図り、市街地の空洞化防止や防犯及び景観対策などに努めてまいります。

 公営住宅の整備については、冬トピア団地の6棟目となる長寿命化工事を実施するほか、桜B団地及び吉野山団地の延命化のため調査設計を行い、次年度以降に屋根や外壁などの改修工事を進めてまいります。
 また、大中山地区に計画されている道営住宅の整備促進を図ってまいります。

 次に、交通安全・防犯体制の充実について述べてまいります。
 交通安全対策については、家庭、学校、地域そして関係団体との連携を強化し、交通弱者といわれる児童、生徒、高齢者の交通安全教育の徹底を図るとともに、事故防止のため交通安全運動を展開してまいります。
 特に、高齢者事故が増加傾向にあることから、運転免許証の自主返納の啓発に努めてまいります。

 次に、消防・救急・防災体制の充実について述べてまいります。
 高規格救急車が、平成30年(2018年)3月16日に2台体制となり、救急隊員においても昨年から4名増員されました。今後も緊急搬送の機能・装備の更なる充実に努めてまいります。

 次に、防災体制については、「災害は必ずやってくる」ということを常に念頭に置き、避難訓練や防災訓練などを通して町民の防災意識の向上に努めるほか、水防センターを学校や町内会などの団体の活動の場として提供してまいります。
 また、ハザードマップを改訂し、災害時には避難先を容易に把握できるよう工夫を行い、減災に心がけてまいります。

 次に、情報ネットワークの整備について述べてまいります。
 総合行政情報システムなどの保守、ハードウェアの更新、ウイルス対策の強化など、情報漏えいの防止や安全管理に努めてまいります。
 また、行政機関個人情報保護法の改正を踏まえ、国の施策と地方公共団体の施策の整合性の確保に努め、個人情報の保護を図り、その適正かつ効果的な活用を推進してまいります。

第2 快適なまち

 生活基盤の総合的整備を図って、住みやすい、快適なまちづくりを目指します。

 はじめに、環境施策の総合的推進について述べてまいります。
 ラムサール条約登録湿地である大沼の豊かな自然環境を保全するため、関係機関との連携を密にし、総合的に施策を進めてまいります。
 また、次世代を担う子どもたちの環境学習の一環として、大沼ラムサール隊を編成し、大沼の自然環境観察などを通して、自然の大切さを伝えてまいります。

 大沼の水質浄化対策については、昨年度策定した第3期目となる大沼環境保全計画に基づいて水質浄化に努めるとともに、大沼の自然環境に適応し、水質浄化に有益な植物や生物などの調査・研究も行ってまいります。

 下水道処理区域外の生活排水対策については、合併処理浄化槽の設置推進を図り、引き続き公共用水域の水質汚濁防止と生活環境の保全に努めてまいります。

 次に、循環型社会の構築について述べてまいります。
 循環型社会の構築において、多様な再生可能エネルギー化が進む中で、風力発電の可能性を探る調査が始まりましたので、協力してまいります。

 廃棄物対策については、循環型社会の構築を目指して、ごみの減量化や分別の徹底、不法投棄の防止などに、住民、事業者及び行政が一体となって取り組んでまいります。
 また、廃棄物処理場については、一般廃棄物最終処分場の埋立て可能な容量が減少していることから、次の埋立地の整備に向けて準備を進めるとともに、老朽化が進むリサイクルセンターの更新についても検討してまいります。

 次に、上下水道の整備について述べてまいります。
 水道事業については、施設の維持管理に努めるとともに施設の老朽化へ適切に対応し、新たな水源確保のための調査を行うなど、将来にわたり安全で安心な水の安定的供給に努めてまいります。

 水道料金については、新たにクレジットカード決済による支払が可能となるよう準備を進めてまいります。
 また、経営面については、前年度より着手している長期的な基本計画である経営戦略を今年度中に策定してまいります。

 下水道事業については、長寿命化計画に基づき「大沼下水浄化センター」の更新工事を効率的に進め、管渠などを含めた施設の適切な維持管理に努めてまいります。
 また、経営面については、将来に向けた経営基盤の安定化と経営状況の明確化を図るため、平成32年(2020年)4月からの地方公営企業法の適用に向けて準備を進めてまいります。

 次に、公園・緑地の整備について述べてまいります。
 あかまつ公園については、親水施設などの修繕を行い、安全な遊び場として提供し、町民の憩いと交流の場として維持管理に努めてまいります。

 次に、景観の保全・整備について述べてまいります。
 大沼国定公園や赤松街道をはじめとした貴重な財産については、住民との協働による清掃や保護活動などを通して、次世代に受け継がれるように良好な景観の形成や保全に努めてまいります。

 空き家対策については、実態調査及び意向調査の結果を踏まえ、空き家の有効活用や適正管理を総合的に進めるための「空き家等対策計画」を策定し、特定空き家対策についても具体化してまいります。

 町民や町内会などから老朽化による改築要望がある本町地域センターについては、民間主導での改築を検討するとともに、効率的で利便性の高い複合施設での建設を検討してまいります。

第3 ふれあい・安心のまち

 住民自身の健康管理、行き届いた福祉対策などにより、ふれあい・安心のまちづくりを目指します。

 はじめに、保健・医療体制の充実について述べてまいります。
 保健については、町民一人ひとりが健康の大切さに気づくように、生活習慣病の予防などに取り組み、家庭や地域、行政、関係機関などが一体となって推進してまいります。
 また、町独自の施策として、ロタワクチン接種費用を一部助成し、接種率の向上に努めてまいります。

 母子保健については、子どもを安心して産み育てていけるよう、妊婦健康診査を公費負担とし、乳幼児健康診査及び訪問事業の充実を図り、母子の支援に努めてまいります。
 また、歯・口腔の健康づくりについては、フッ化物塗布やフッ化物洗口事業の普及に努めてまいります。

 次に、地域福祉の充実について述べてまいります。
 平成30年3月に策定した第4期七飯町総合保健福祉計画の基本理念「町民がともに支え合い 暮らしやすいまち ななえ」の実現に向け、第4期地域福祉計画、高齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画、第4期障がい者プラン及び第5期障がい福祉計画に基づいて実施してまいります。
 また、住民主体の介護予防活動をボランティアポイント対象事業に加えるなど、ボランティアポイント制度を拡充するとともに、新たに実施する有償ボランティアによる生活支援と買物・通院などの移動支援を組み合わせた事業についても普及に努めてまいります。

 次に、高齢者福祉の充実について述べてまいります。
 高齢者が、住み慣れた地域や家庭で安心して生活が送れるよう、生活支援のための在宅福祉サービスを実施するほか、老人クラブや老人クラブ連合会自らが企画したローレンピックなどの自主的な活動に対し、引き続き支援してまいります。

 介護保険事業については、年々上昇する高齢化率に比例し、ひとり暮らしの方や認知症の方も増加傾向にあり、併せて住民ニーズも多様化していることから、地域包括支援センターを中心に相談支援体制の充実、介護保険サービスの充実、介護予防の総合的な推進、医療と介護の連携強化に努めてまいります。

 次に、障がい者福祉の充実について述べてまいります。
 家庭や日中活動の様々な場面において、障がいのある方のニーズや障がいの状況に応じたきめ細やかなサービスができるよう、事業者、雇用、教育、医療などの関係機関と連携し、相談支援体制の構築、指定障害福祉サービス提供基盤の確保を図り、適切なサービスを提供してまいります。

 次に、社会保障の充実について述べてまいります。
 国民健康保険特別会計については、医療の高度化や被保険者の高齢化などにより年々一人当たりの医療費が増加し、繰上充用せざるを得ない状況の赤字決算が続いております。
 高齢者が増加傾向においては、医療費の抑制も見込めず、また、今年度からは保険者の単位が市町村単独から都道府県と市町村の共同保険者に移行されることから、将来的には保険税の平準化を見据えた税率改正や課税限度額の引き上げを実施するなど、健全な運営に努めてまいります。

第4 育むまち

 子育て支援から生涯学習の充実、青少年の健全育成、地域文化の振興、交流活動の活発化を図り、人を育むまちづくりを目指します。

 はじめに、子育て支援の充実について述べてまいります。
 これまで町独自で取り組んでまいりました保育料軽減や医療費助成を引き続き支援するほか、町内に2か所ある「子育て支援センター」を地域の子育て支援拠点として、子育てに関する相談や情報提供、助言などの支援を充実してまいります。また、大沼地区については、ちびっこ広場を引き続き開設してまいります。

 学童保育については、民間クラブの保育料補助を引き続き実施するほか、老朽化により早急な改築を求められている大中山地区の学童保育施設を平成31年(2019年)4月の開設を目指し、高齢者との交流スペースと大中山出張所を併設した複合施設として建設してまいります。

 児童虐待防止については、情報の収集や児童相談所、教育委員会、保育所などの関係機関と情報を共有し、虐待を未然に防ぐため、子育て支援ネットワーク会議を活用してまいります。

 次に、教育関係について述べてまいります。
 教育関係については、教育長から詳細に示されます教育行政方針を尊重してまいりますが、町としての本年度の主な教育支援などについて申し述べます。

 安全で安心な学校づくりとして、本年度は大中山小学校の校舎南棟が完成するほか、グラウンド、プール、外構工事などに着工してまいります。

 子どもたちの食育については、給食センターにおいて、安全で安心な農畜産物の食材の確保と地産地消を拡充して支援してまいります。

 また、子育て支援については、多子世帯の給食費の軽減を図るほか、不登校児童生徒の支援のため、鶴野地域センターの空き教室を活用し、適応指導教室を開設してまいります。

 生涯学習については、拠点となる文化センターをはじめ、社会教育施設も老朽化しつつあることから、計画的な整備を支援してまいります。

 次に、交流活動の推進について述べてまいります。
 国際交流事業については、昨年、コンコード町との姉妹都市提携20年を迎え、町制施行60年と合わせて姉妹都市再盟約書調印式及び記念音楽祭を開催しました。本年度も中高校生の語学研修及び町民の文化交流事業推進のため、中高校生及び町民代表を派遣してまいります。
 夏の風物詩として定着した「国際交流夏のつどい」については、異文化を理解する交流事業として、引き続き支援してまいります。

 国内交流については、姉妹都市三木町をはじめ経済、文化、防災など繋がりのある自治体と交流を深めてまいります。

第5 活気とにぎわいのまち

 基幹産業である農林水産業、商・鉱工業、観光の振興を図って、雇用が生まれる活気とにぎわいのまちづくりを目指します。

 はじめに、農林水産業の振興について述べてまいります。
七飯町の農業は、国内外の見通しのつかない不安な状況下のもと、生産者をはじめとする関係機関のご尽力により、野菜の取扱額が3年連続30億円を突破したほか、肉牛やリンゴの「ななみつき」も高価格で推移するなど、市場や消費者から安全で安心な農畜産物として高評価を得ております。
 今後も、更なる農畜産物のブランド化を図り、安全で安心な高品質の農畜産物の安定生産を図ってまいります。

 農業基盤の整備については、白川地区道営事業及び渡島東部地区基盤整備事業を実施するほか、通作道路の整備として広域農道及び城岱スカイラインの改良を引き続き実施いたします。

 農地の維持管理については、多面的機能支払事業を活用してまいります。

 新野菜広域流通施設整備については、平成31年度早期稼動を目指し、集出荷予冷施設建築工事や外構整備工事などに着工してまいります。
 また、来年度は、西洋果樹栽培から150年を迎えるに当たり、西洋リンゴ発祥の地を記念し、七飯町において全国リンゴ研究大会が計画されていることから、準備を進めてまいります。

 林業については、各種町有林事業を行うほか、民有林対策においても森林組合と連携し、未来につなぐ森づくり事業を活用して進めてまいります。

 大沼の内水面漁業については、生態系への影響がないよう資源の確保と水質の浄化対策に注視しつつ、大沼環境保全対策協議会などと連携し、調査・研究を進めてまいります。

 次に、商・鉱工業の振興について述べてまいります。
 商工業については、町内事業者の大半を占める小規模企業の振興を図るため、本年3月に「七飯町小規模企業振興基本条例」を制定しました。
 この条例に基づき、商工業経営安定融資保証金補給や利子補給の支援を引き続き実施し、経営の安定と小規模企業の活性化を図ります。

 また、函館地域産業活性化協議会と連携して、資源や立地条件の優位性を生かし、企業の誘致を進めるとともに、既存の誘致企業については、ななえ倶楽部と連携し、地場産業の振興発展に努めてまいります。

 起業・創業支援については、「創業支援バックアップ事業」に取り組むとともに、公益財団法人函館地域産業振興財団と協働し、町内企業の事業活動を支援してまいります。

 また、商工会青年部が、創立50周年という節目の年を迎えることから、記念事業に対して支援してまいります。

 道の駅「なないろ・ななえ」については、周辺施設や大沼観光など、広域にわたる経済的波及効果が期待されることから、道の駅エリア活性化に関する事業協定に基づき、七飯町、一般社団法人七飯町振興公社、株式会社男爵倶楽部の三者が相互に連携し、活性化に取り組んでまいります。また、町内外から多くのお客様にご利用いただいていることから、秋には感謝の気持ちを込めた催し物を開催してまいります。

 次に、観光の振興について述べてまいります。
 観光については、平成29年4月から12月の外国人観光客宿泊数は対前年比14.4パーセント増と大きな伸びを示していますが、日帰り客を含む全体の観光入込客数では対前年比91.1パーセントと減少しており、北海道新幹線開業効果の反動が見られます。

 今年度は、北海道新幹線や道の駅の開業効果の持続を図る上で、教育旅行の誘致に向けた国内各地へのプロモーション活動を行うほか、広域観光イベントや体験イベントを支援し、町内への誘客や周遊・滞在の促進を図ります。

 また、北海道新幹線総合車両基地まつりの早期実現をめざし、JR北海道に要望するとともに、小学生を対象とした新幹線体験ツアー事業を引き続き実施し、七飯町の食と観光の魅力を発信してまいります。

 次に、雇用・勤労者対策の充実について述べてまいります。
 JR北海道函館新幹線総合車両所をはじめとするJR関連企業が事業所を開設し、全体で約500名の従業員が業務に従事しております。今後は、札幌延伸に向けて、事業規模の拡大による就労人口の増加や新規採用職員の地元雇用が期待されるほか、企業誘致や既存の地場産業の育成を図りながら、雇用の場の確保に努めてまいります。

 次に、消費者対策の充実について述べてまいります。
 町内の消費拡大と町内企業へ活力を与えるため、「あかまつ街道納涼祭」、「ななえ町物産グルメ発表会」、「チビッコ雪まつり」、「大沼べこっ子まつり」のイベントを引き続き支援してまいります。

第6 ともに歩むまち

 協働のまちづくり、地域コミュニティの育成、男女共同参画・人権尊重のまちづくりを進めて、自立する自治体経営を目指します。

 はじめに、開かれた協働のまちづくりの推進について述べてまいります。
安全で安心な「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」の実現には、町民、地域、行政、議会が協力し合い、自ら考え、行動し、汗を流す町民主体の協働の考えが必要です。町民の視点で行政を執行するため、引き続き出前町長室を実施し、町政に生かしてまいります。
 また、町民の相談に対し、スピード感を持って対応するため、各出張所に行政経験の豊富な職員を配置し、出張所機能の充実を図ります。

 次に、男女共同参画・人権尊重社会の形成について述べてまいります。
 男女共同参画・人権尊重社会の形成については、男女が互いに人権を尊重し、自分らしく輝いて暮らせる社会の実現に向け、意識づくりや環境づくりを進めてまいります。

 次に、自立する自治体経営の推進について述べてまいります。
 依然として厳しい財政状況が続く中、第5次七飯町行政改革大綱に基づき、安定した住民サービスを将来にわたって持続していくため、「行政の効果的で効率的な健全経営」と「行政サービスや自立による“まち”の成長」を両立することで、将来の世代に過度の財政負担を残さないよう一定の基金の確保を念頭に置いた財政運営を実現し、最少の経費で最大の効果を上げるよう努めてまいります。

 また、来年度には、消費税率が10パーセントに引き上げられる予定となっていることから、自主財源である使用料をはじめとする歳入全般の見直しについて検討してまいります。

 ふるさと納税については、返礼品として町内の優れた特産品を幅広く取り揃えるとともに、取扱いポータルサイトを増やし、自主財源の確保に努めてまいります。

4 むすび

 以上、平成30年度の町政執行についての所信と主な施策の概要について、述べさせていただきました。

 行政の使命は、町民の皆様の安全で安心な暮らしを保障し、より良いものにしていくことであり、このことはいつの時代においても変わるものではありません。

 4期目に臨むに当たり、災害に強い“安全・安心なまち”になった七飯町をより一層「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」にするため、これまでの政策を見直しつつ、活性化のための新たな政策も実現し、町民一人ひとりの「幸福度」が高まるよう職員とともに努めてまいります。

 これまで同様、町民の皆様の暮らしを守るため、果敢に行政運営を推し進めてまいりますので、議会の皆様及び町民の皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げ、本年度の施政方針といたします。

PDF平成30年度七飯町施政方針 (457.8KB)
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