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令和2年度 七飯町施政方針

七飯町長 中宮 安一

1 はじめに

 令和2年第1回七飯町議会定例会の開会に当たり、本年度の町政執行に臨む基本姿勢と施策の一端を申し述べます。

 議会の皆様をはじめ、町民の皆様の温かいご指導ご支援の下、4期折り返しの町政運営を担わせていただくに当たり、改めて感謝を申し上げます。

 昨年5月1日に元号が「平成」から「令和」に変わり、本年は新時代の幕開けにふさわしい東京オリンピック・パラリンピックが開催され、その象徴である聖火リレーが、6月14日、大沼国定公園内を駆け抜けます。4年に一度の一大イベントに関わることができ光栄に感じているところであります。

 元号が変わり時代がどんなに変わっても、安全で安心なまちづくりに努め、「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」の実現を目指し、更なる七飯町の発展のために尽くしてまいりますので、議会の皆様並びに町民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 

2 町政に臨む基本方針 

 “夢と希望と可能性”に溢れた「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」の主役は、町民の皆様です。
 本年度の町政に臨むに当たり、基本方針を申し述べます。

 昨年は、大中山小学校の改築を核とした一体整備が完了したほか、4月より道南では初めての義務教育学校「大沼岳陽学校」として開校となる大沼中学校の改修事業も概ね完了し、教育環境の整備を図ってまいりました。

 また、農業では、新たな集出荷予冷施設が本稼働したほか、道の駅「なないろ・ななえ」では、男爵ラウンジとの相乗効果により来場者数が200万人を超えております。

 昨今、人口減少が喫緊の大きな課題の中、これまで前述のような多岐にわたり波及効果が大きいと思われる企業誘致、教育及び産業などの施策に力を注いでまいりました。この施策の積み重ねにより、人口減少の進行を微減にとどめ、町民総数2万8千人を維持しております。
 このことは、「七飯町まち・ひと・しごと創生総合戦略」において検証され、一定の成果として表れています。
 今後も、住環境の整備、子育て支援、地場産業の育成及び企業誘致など波及効果が期待される事務事業に取り組んでまいります。

 また、本年度は、「第5次七飯町総合計画」の中間年となることから、これまでの施策などを検証するほか、次の基本的な視点に基づき、具体的に施策を実行してまいります。
  1. 子どもを安心して産み育てられる。
  2. 住み続けたいと思える生活環境を整える。
  3. 食や観光をはじめとする力強い産業と雇用の場をつくる。
  4. 七飯町らしさを活かして人を呼び込み・呼び戻す。
 特に、2.の「住み続けたいと思える」については、安全で安心なまちづくりを進めることであり、「災害は必ずやってくる」を念頭に置き、防災行政無線の整備に着工してまいります。

 詳細な施策につきましては、「主要施策の推進について」において、ご説明申し上げますが、最少の経費で最大の効果が得られるよう優先順位を見極めながら、一般会計120億円の予算を編成いたしましたので、ご理解のほどお願い申し上げます。
 

3 主要施策の推進について

 本年度の主要施策については、町政運営の指針であります「第5次七飯町総合計画」の基本構想及び基本計画に沿って、ご説明申し上げます。

第1 安全・便利なまち

 はじめに、道路・交通ネットワークについて述べてまいります。
道路の整備については、関係機関との連携の下、安全で安心な交通網の形成を図るため、町道整備として社会資本整備総合交付金で2路線の改良舗装工事、橋梁長寿命化で2橋梁の修繕事業、1橋梁の修繕設計、15橋梁の点検、単独事業で10路線の改良舗装工事のほか道路維持・補修を実施してまいります。

 国道については、北海道縦貫自動車道大沼公園インターチェンジから(仮称)七飯インターチェンジ間のトンネル工事が着工されましたが、早期完成の要望と併せて、既存の国道5号の交通安全対策を重点とした片側2車線化を函館開発建設部に要望してまいります。

 道道については、大沼公園鹿部線、大沼公園線、大野大中山線及び大中山駅前通りの整備促進について、引き続き北海道に要望してまいります。

 河川については、北海道が事業主体の久根別川広域河川改修事業、藤城川砂防事業、水無沢川砂防事業、軍川砂防事業及び蒜沢川砂防事業の整備促進について、引き続き関係機関に対し要望してまいります。

 地域公共交通については、超高齢化社会に対応した地域の足の確保のため、鉄道や路線バスへの接続拡充・利便性向上を図りながら、デマンド型交通などの具体的手法の検討を行ってまいります。

 次に、住宅・市街地について述べてまいります。
 空き家対策については、「七飯町空家等対策計画」に基づき、空き家の適正管理を推進するとともに、周辺環境に悪影響を与える特定空家の解体費助成制度を活用し、解消に努めてまいります。
 公営住宅の整備については、冬トピア団地の8棟目となる長寿命化工事を施工するほか、桜B団地及び本町上台団地の屋根や外壁の改修工事を行います。
 また、大中山地区に建設中の道営住宅の整備について、支援してまいります。

 次に、交通安全・防犯について述べてまいります。
 交通安全対策については、関係諸団体等との連携を密にし、交通弱者といわれる児童・生徒・高齢者の交通安全教育の徹底を図るとともに、事故防止の交通安全運動を展開してまいります。
 また、全国的に高齢者の運転操作ミスなどによる痛ましい事故が発生していることを踏まえ、運転に不安のある70歳以上の高齢者を対象に、高齢者運転免許証自主返納支援事業を推進してまいります。

 防犯については、警察、地域及び関係団体等と連携し、安全で安心して暮らせるまちづくりを目指してまいります。
 また、外灯については、外灯組合や町内会等とともに維持管理に努めてまいります。

 次に、消防・救急・防災について述べてまいります。
 消防及び救急については、6月に東大沼多目的グラウンド「トルナーレ」において、渡島消防総合訓練大会が開催されることから、支援してまいります。

 防災については、本年2月に七飯町地域防災計画を改訂し、町民への情報伝達手段や避難行動要支援者の的確な把握など、防災対策の強化を図る内容としました。
 この計画に沿ってより災害に強いまちづくりを進めてまいります。 
 特に、町民への情報伝達手段については、防災行政無線の町内全域への整備に加え、町内会等住民組織を活用した緊急連絡網など、あらゆる手段で災害時の情報伝達を確実に行えるようにしてまいります。
 また、全戸配布の「七飯町防災ガイドマップ」についても最新のハザードマップや大規模停電対策などを盛り込んだ内容に見直してまいります。

 次に、情報ネットワークについて述べてまいります。
 七飯町公式ホームページをリニューアルし、より利用しやすい環境を提供するとともに、多言語対応の機能を追加し、外国人にも観光や防災情報などを伝えられる環境に整備してまいります。
 また、マイナンバーカードについては、9月からのマイナポイントキャッシュレス決済サービスや来年3月以降には健康保険証にも利用できるよう予定されていることから、普及率の向上に努めてまいります。

第2 快適なまち

 はじめに、環境施策について述べてまいります。
 大沼の環境保全対策については、大沼環境保全対策協議会において示された大沼環境保全計画の方針に基づき、対策を進めてまいります。
 また、ラムサール条約登録湿地である大沼の豊かな自然環境を次世代に繋ぐため、本年度開校する大沼岳陽学校の児童生徒を対象に大沼ラムサール隊を編成し、自然環境学習を実施してまいります。

 下水道処理区域外の生活排水対策については、合併処理浄化槽の設置を図り、公共用水域の水質汚濁防止と生活環境の保全に努めてまいります。

 次に、循環型社会について述べてまいります。
廃棄物対策については、分別の徹底やリサイクルの推進による資源の再利用を促進し、ごみの減量化を図ります。
 また、不法投棄の防止などについては、住民、事業者及び行政が一体となって取り組んでまいります。

 クリーンセンターとななえ斎苑の設備については、メンテナンス及び改修工事を行います。
 また、老朽化が進むリサイクルセンターについては、補修工事を行うとともに、更新の検討をしてまいります。

 次に、上下水道事業について述べてまいります。
 水道・下水道事業については、施設の適切な維持管理や更新を行い継続的なサービスの提供に努めてまいります。
 水道については、新たに水源を整備し、更に安定的な水の確保を図ってまいります。
また、下水道については、これまで準備を進めてまいりました地方公営企業法の適用となることから、経営基盤の安定化と経営状況の明確化を図ってまいります。

第3 ふれあい・安心のまち

 はじめに、保健・医療について述べてまいります。
 保健については、第3期健康づくり基本計画に基づく事業を推進してまいります。
 主な取組としては、生活習慣の改善が非常に重要であることから、高血圧や高脂血症などの生活習慣病を予防するためのヘルシー教室を開催してまいります。
 また、疾病の早期発見や重症化の予防に重点を置き、自分自身が健康管理を意識し、定期的、かつ継続的な健診をより多く受けていただくため、基本健康診査の自己負担額を無料とし、受診勧奨の更なる推進に努めてまいります。

 母子保健については、妊婦・産婦健康診査や産後ケアの実施に加え、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない子育て支援を行うため、保健センター内に「子育て世代包括支援センター」を設置し、妊娠・出産・子育てに関する各種の相談に応じ、必要な情報提供・助言、保健指導を行う新たな体制強化の充実を図ってまいります。
 また、令和3年度からの実施を目指す5歳児健診事業に向け、健診後のケアや就学までのサポート支援の充実を図るため、保健師・町内幼保職員等を対象とした各種研修会を行うなど、知識向上を目指す取組及び各関係機関との連携体制を強化してまいります。

 次に、地域福祉について述べてまいります。
 第4期総合保健福祉計画に基づき、地域における課題の解決や共助の促進を図るため、関係団体等との連携の下、要援護者支え合い事業やボランティアポイント事業を推進してまいります。
 町内の介護事業所等に従事する人材の確保については、介護職員初任者研修受講補助金の補助要件を拡充してまいります。
 また、地域福祉の更なる充実に向けて、高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画及び第5期障がい者福祉計画・第6期障がい者プランを策定してまいります。

 次に、高齢者福祉について述べてまいります。
 高齢者が、介護や支援が必要になっても、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう在宅福祉サービスの充実に努めるとともに、高齢者の実情に合った対応を講じてまいります。
 また、老人クラブ・老人クラブ連合会が行う健康・友愛・奉仕活動を支援してまいります。

 介護保険事業については、「地域共生社会」の実現に向け、多機関の協働による包括支援体制の構築に向けた実施体制の整備を進めるとともに、認知症やひとり暮らし高齢者の増加に比例して、成年後見制度の利用の必要性も高まりつつあり、成年後見制度の利用促進に必要な中核機関を設置し、支援機能の充実を図ってまいります。
 また、介護予防と生活支援においては、有償ボランティアによる生活援助と外出支援を組み合わせた生活支援サポート事業を推進するとともに、地域コミュニティによる地域介護予防活動支援事業を支援してまいります。

 次に、障がい者福祉について述べてまいります。
 障がい者福祉については、「地域共生社会」の実現に向け、これまでの施策に加え、障がい児・障がい者の重度化・高齢化や「親亡き後」を見据え、必要な支援を提供する仕組みを構築するため、函館圏域で地域生活支援拠点を整備し、地域全体で支えるサービス提供体制を構築してまいります。

 次に、社会保障について述べてまいります。
 医療費助成については、子ども、重度心身障がい者及びひとり親家庭などの医療費の助成範囲を北海道の基準を拡大して実施しておりますが、助成内容を精査し、見直してまいります。

 国民健康保険特別会計については、予防のための健診を積極的に推し進めるため、特定健診における受診勧奨や自己負担を無料とし、更に引き続き人間ドック、脳ドック、高齢者インフルエンザ予防接種助成事業を実施し、病気の早期発見、早期治療による医療費の抑制に努めながら、健全な運営を目指してまいります。

第4 育むまち

 はじめに、子育て支援について述べてまいります。
 国の施策となる幼児教育・保育無償化が昨年10月からはじまり、幼児期の教育・保育を提供する体制の確保、地域子ども・子育て支援事業の実施を総合的・計画的に行うため、「第2期七飯町子ども・子育て支援事業計画」に基づき、子育て支援サービスを充実してまいります。
 また、本年度より母子保健と一体となる「子育て世代包括支援センター」を設置するとともに、切れ目のない子育て支援の強化、いわゆる妊娠・出産・子育てに関しての総合的な支援体制を推進してまいります。

 放課後児童健全育成事業については、公立及び民間の学童保育クラブが連携し、地区単位での待機児童解消に向けた取組を進めてまいります。  
 具体的には、民間の学童保育クラブを利用した場合の保護者に対して、公立と民間の利用料差額の2分の1相当を助成し、保護者の負担を軽減してまいります。
 本町地区と大中山地区の「子育て支援センター」及び大沼多目的会館で実施している「ちびっこ広場」を地域子育ての支援拠点として、子育てに関する相談や情報提供、あそんでSUNDAYパパなど、楽しく子育てができるよう子育て世代を支援してまいります。

 児童虐待防止については、情報収集に努めるほか、児童相談所、教育委員会、保育所等関係機関と情報共有を図り、虐待を未然に防ぐため、子育て支援ネットワーク会議を活用し、一体となって対策強化に努めてまいります。

 次に、教育関係について述べてまいります。
 教育関係については、教育長からの教育行政方針において、学校教育、生涯教育及びスポーツ振興など詳細に示されておりますので、ここでは町長部局が実施する交流活動の推進について申し述べます。

 国際交流については、国際的視野に立つ豊かな人材を育成するため、本年度も中高校生及び町民代表を姉妹都市アメリカコンコード町へ派遣してまいります。

 国内交流については、姉妹都市香川県三木町をはじめ、経済、文化、防災など繋がりのある自治体と引き続き交流を深めてまいります。

第5 活気とにぎわいのまち

 はじめに、農林水産業について述べてまいります。
 農業については、既に発効されているTPP11、日EU・EPAなどの国際貿易協定や、本年1月1日に発効された日米貿易協定により、国内農畜産物の価格低迷が懸念されますが、昨年、生産者から期待された新たな集出荷予冷施設が稼働し、野菜取扱額が5年連続30億円を超えるなど安定しつつあり、七飯町ブランドとして消費者に対し、産地の差別化と高品質で安全・安心な農畜産物の生産・出荷を図ってまいります。

 林業については、森林の整備などに活用する地方財源として平成31年(2019年)3月に創設された森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に基づき、七飯町森林環境譲与税基金条例を制定いたしました。
 本年度から本基金を活用し、森林所有者への意向調査や木育活動支援などを実施してまいります。
また、各種町有林事業などを実施するほか、災害・防災対策として治山事業の要望を行ってまいります。
 大沼の内水面漁業については、大沼環境保全対策協議会をはじめ関係機関と連携し、資源確保や水質浄化にかかる調査・研究を進めてまいります。

 次に、商工業について述べてまいります。
 商工業については、町内の経済活性化の原動力であり、地域社会においても重要な役割を担っている中小企業に対し、商工業経営安定資金融資制度や融資信用保証料補給及び利子補給を実施し、七飯町商工会などの関係団体と連携して、中小企業の経営安定化を支援してまいります。
 また、起業・創業支援として公益財団法人函館地域産業振興財団などと協力し、引き続き「創業バックアップ事業」に取り組み、地域での起業・創業者への支援を通じて地域経済の活性化を図るとともに、函館地域経済牽引事業促進協議会と連携し、豊かな資源や立地条件を紹介し、企業誘致を進めてまいります。
 特に本年度の企業立地としては、道の駅の隣接地に観光農園と宿泊を兼ね備えた温浴施設の建設が予定されているほか、JR大中山駅付近においては酒蔵の建設が予定され、地域の活性化施設として経済波及効果が大いに期待されることから、支援してまいります。

 次に、観光について述べてまいります。
 観光については、大沼国定公園を中心とした優れた自然を活かし、大沼体験観光づくり実行委員会が実施する体験プログラムや、環駒ヶ岳広域観光協議会や北海道新幹線新駅沿線協議会による広域観光ルートの開発に取り組むとともに、北海道や周辺自治体と連携して修学旅行等の教育旅行の誘致のほか、国内外の観光客に向けての都市部でのイベントや商談会などで、各種プロモーション活動を展開し、七飯町の魅力を発信してまいります。
 特に、本年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、6月14日には大沼国定公園内において聖火リレーが行われます。
 一人でも多くの方に大沼を知ってもらい、訪れてもらうための好機と捉え、北海道らしい豊かな大自然をPRしてまいります。
 具体的には、インバウンド対策として観光情報等を英語・中国語・フランス語などの9言語で紹介するサイトと連携し、スマートフォンやタブレットなどから七飯町の名所やグルメ情報の取得、目的地までのルート案内やレンタカー予約なども可能にするサービスの提供を行ってまいります。

 次に、雇用対策について述べてまいります。
 雇用対策については、ハローワークや南渡島通年雇用促進支援協議会などと連携し、求人情報の提供や通年雇用に必要な資格取得のための技能講習の実施など、就労と雇用の促進を図ってまいります。
 また、高齢者の雇用については、七飯町シルバー人材センターと連携し、健康で働く意欲のある高齢者の多様なスキルや経験を活用し、安定した活動を支援してまいります。

 次に、消費者対策について述べてまいります。
 町内の消費拡大と町内企業へ活力を与えるため、引き続き「あかまつ街道納涼祭」、「ななえ町物産グルメ発表会」、「チビッコ雪まつり」などのイベントを支援してまいります。
 
 道の駅については、周辺の民間施設や本年度建設着工予定の温浴施設との連携を図りつつ、函館新幹線総合車両所の一般公開実現を含めて、大沼国定公園とともに七飯町の魅力を発信し、観光振興と地域活性化に取り組んでまいります。

第6 ともに歩むまち

 はじめに、協働のまちづくりについて述べてまいります。
 まちづくりは、町民と行政と議会が協力し合い、自ら考え、行動し、汗を流す協働の考えが必要であります。
 4月から開校となります「大沼岳陽学校」は、小中学校を廃校し新たに義務教育学校の開校という画期的な取組が実を結びます。
 昨年11月に4校の閉校式を終えるなど、地域住民の皆様と汗を流す協働のまちづくりへのご理解、ご協力に対しまして、厚く感謝を申し上げますとともに、心より敬意を表します。
このことからも出前町長室を実施し、町民の皆様の意見などを真摯に受け止め、町民の皆様とともに行政を進めてまいります。

 次に、自立する自治体経営について述べてまいります。
 人口減少が進む中において、安定した住民サービスを持続していくためには、今後の公共施設の整備として財源確保の面から費用負担の少ない民間主導での改築や長寿命化計画による改修を進めるほか、併せて施設の必要性についても検討してまいります。
 特に市街化区域においては、医療、福祉、商業など生活サービス機能を維持しながら都市機能、居住機能の集積、公共施設の適正な配置などによるコンパクトなまちづくりへの転換を図る必要があります。
 このことから、持続可能で利便性の高い都市構造の実現に向けて、その指針となる七飯町立地適正化計画を策定してまいります。
 併せて、本年度は町内全域のデジタル空中写真撮影を行います。
 ハザードマップ作成にかかる現況確認のほか、固定資産、都市計画区域、農業区域、河川及び道路などの現況確認に活用してまいります。

 行財政改革については、第5次行政改革大綱の計画期間が終了となることから、次期大綱の計画策定に向け検証を行うほか、新制度の会計年度任用職員についても必要最少限の任用に努めてまいります。
 併せて、事務事業、使用料及び手数料などの見直しを行ってまいります。
また、大沼岳陽学校の開校に伴い廃校となる小学校3校の利活用と併せ、選挙投票所の統廃合についても検討してまいります。

 歳入の確保としては、利活用の計画がない町有財産の処分を進めるほか、一定のルールが示された「ふるさと納税」については返礼品の見直しのほか、「企業版ふるさと納税」に取り組むなど、安定した財源となるよう努めてまいります。
 

4 むすび

 以上、本年度の町政執行についての所信と主な施策の概要について、述べさせていただきました。

 全国的に人口減少と高齢化に伴う地域活力の低下が進む中、今後、税収の減少や社会保障費の増大などが予想されますが、議会の皆様をはじめ町民の皆様とともに、知恵を出し、工夫を重ね、力を合わせて人口減少を一人でも少なくするよう進めてまいります。

 特に本年度は、平成28年度を初年度とした10箇年計画である「第5次七飯町総合計画」の前期を終える年度となることから、後期5箇年の計画の見直しを行います。
見直しにあたっては、「七飯町まち・ひと・しごと創生総合戦略」との整合性や本年度実施される国勢調査の状況なども勘案し、計画内容の適正化を図ってまいります。

 中でも北海道新幹線の札幌までの早期延伸は、本町においては、運行車両の増加による函館新幹線総合車両所の増強に繋がるとともに、就労人口の増加や新規採用職員の地元雇用も見込まれるほか、道央、道北など全道からの観光客も期待されます。
 このことは、地域の活性化や安定した税収の確保にも寄与されることから、関係の機関・団体とともに継続して強く要望してまいります。

 令和という新しい時代に入っても、行政の使命は、町民の皆様の安全で安心な暮らしを保障し、より良いものにしていくことであり、いつの時代においても変わるものではありません。
 「災害に強い安全で安心なまち“七飯町”」、「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」を目指し、これまでの政策の継続や検証を重ねつつ、町民の皆様の暮らしを守るため、果敢に行政運営を推し進めてまいりますので、議会の皆様及び町民の皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げ、本年度の施政方針といたします。

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