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令和3年度 七飯町施政方針

七飯町長 中宮 安一

1 はじめに

 令和3年第1回七飯町議会定例会の開会に当たり、本年度の町政執行に臨む基本方針と施策の一端を申し述べます。

 本年度は、町長に就任して4期目の最終年度を迎えます。
 今日まで、町議会の皆様をはじめ、町民の皆様にご支援を賜り、心より厚くお礼を申し上げます。

 さて、昨年世界各国で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症は、未だに収束の気配がなく、日本においても長期化し、緊急事態宣言の発出など社会経済のあらゆる面に影響を与え、町内経済にも大きな影響を及ぼしております。

 また、新たに変異ウイルスによる発症者が確認されるなど、更なる長期化への不安要素もありますが、ワクチン接種の効果に期待し、新しい生活様式の下、感染予防に注意を払いながら社会経済活動に力を注いでまいります。

 時代がどんなに変わろうとも、安全で安心なまちづくりに努めることには変わりがありません。
 「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」が実感できるよう、更なる七飯町の発展のために尽くしてまいりますので、議会の皆様並びに町民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2 町政に臨む基本方針 

 “夢と希望と可能性”に溢れた「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」の主役は、町民の皆様です。

 本年度の町政に臨むに当たり、基本方針を申し述べます。
 本年度は、施策などの見直しを行った第5次七飯町総合計画後期の始まりとなりますが、住民基本台帳に基づく2020年の人口移動報告において、転入者が転出者を上回る189人の社会増と報告されました。2019年が152人の社会増であったことから2年連続の社会増であります。

 このことは、これまでの多岐にわたる施策の成果と捉え、引き続き、次の基本的な視点に立って、施策を実行してまいります。
  1. 子どもを安心して産み育てられる。
  2. 住み続けたいと思える生活環境を整える。
  3. 食や観光をはじめとする力強い産業と雇用の場をつくる。
  4. 七飯町らしさを活かして人を呼び込み・呼び戻す。
 4期目の3年間は、基本的な視点の主な事業として、大中山小学校の改築を核とした大中山出張所と大中山学童保育クラブの複合施設である大中山多世代交流地域センターの建設を施工したほか、中島地区に新たな野菜の集出荷予冷施設を建設し、昨年はコロナ禍においても人参、長ネギを中心に高値で取引され、野菜の販売額が約30億円から約40億円となるなど、七飯町の野菜の品質の良さが認められました。
 
 さらに、昨年4月に道南では初めての義務教育学校「大沼岳陽学校」として開校となった旧大沼中学校校舎の大型改修も竣工し、教育環境の整備を図りました。

 また、道の駅「なないろ・ななえ」に隣接した男爵ラウンジが開業となるなど相乗効果や波及効果があったものの、コロナ禍の影響により、北海道昆布館の撤退や宿泊施設の長期間休業など経済的ダメージを受けましたが、中島地区に不織布マスク工場が立地され、新たな雇用が生まれたほか、昨年度着手しました防災行政無線の整備も本年度で完了となり、新型コロナウイルスワクチン接種事業とともに、引き続き、安全で安心なまちづくりを進めてまいります。

 コロナ禍という様変わりした新しい生活様式の下ではありますが、住環境の整備、子育て支援、地場産業の育成、企業誘致など波及効果が期待される事務事業に取り組んでまいります。

 詳細な施策につきましては、「主要施策の推進について」でご説明申し上げますが、本年度については、新型コロナウイルス感染症の収束の兆しが見えない状況での各種イベントや諸行事の開催費用等について当初予算の計上を見合わせ、新型コロナウイルス感染症の状況を見極めながら補正予算等で対応してまいります。

 また、新型コロナウイルス感染症の長期化による社会経済への多大な負の影響により、町税等の減収が見込まれることから、冬期間の諸費用についても当初予算の計上を見送り、一般会計109億4千万円の予算を編成いたしましたので、ご理解のほどお願い申し上げます。

3 主要施策の推進について

 本年度の主要施策については、町政運営の指針であります第5次七飯町総合計画の基本構想及び基本計画に沿って、ご説明申し上げます。

第1 安全・便利なまち

 はじめに、道路・交通ネットワークについて述べてまいります。
 道路の整備については、関係機関と連携を密にし、安全で安心な交通網の形成に努め、本年度の町道整備として、社会資本整備総合交付金で2路線の改良・舗装工事、橋梁長寿命化関連で1橋梁の修繕事業、29橋梁の点検、久根別川広域河川改修事業に伴う道負担金事業で1橋梁の架替工事、単独事業で7路線の改良舗装工事、道路維持・補修を施工してまいります。

 国道については、北海道縦貫自動車道大沼公園インターチェンジから七飯インターチェンジ間のトンネル工事の早期完成と合わせ、既存の国道5号の交通安全対策を重点とした片側2車線化を要望してまいります。

 道道については、大沼公園鹿部線、大沼公園線及び大野大中山線の整備促進について、引き続き、北海道に要望してまいります。

 河川については、北海道が事業主体の久根別川広域河川改修事業のほか、藤城川、水無沢川、軍川及び蒜沢川の砂防事業の整備促進について、引き続き、関係機関に対し要望してまいります。町河川については、2河川の浚渫工事、1河川の排水路設計、維持・補修を施工してまいります。

 また、関連する道路整備としては、函館新外環状道路函館空港インターチェンジが開通となり、函館空港までの時間が大幅に短縮され、観光誘客と物流の両面において大きな効果があるものと期待しております。

 地域公共交通については、超高齢社会に対応した地域の足の確保のため、鉄道や路線バスへの接続拡充・利便性向上を念頭に置きながら、法定協議会である七飯町地域公共交通活性化協議会とともに、地域公共交通計画を作成するなど検討を重ねてまいります。

 次に、住宅・市街地について述べてまいります。
 空き家対策については、「七飯町空家等対策計画」に基づき、空き家の適正管理を推進するとともに、周辺環境に影響を与える恐れのある危険な特定空家については、引き続き、解体費の助成制度を活用し、解消に努めてまいります。

 公営住宅の整備については、冬トピア団地の9棟目となる長寿命化工事のほか、桜B団地及び本町上台団地の屋根や外壁の改修工事を引き続き施工します。また、大中山地区の道営住宅については、本年度中に完成予定となっております。

 次に、交通安全・防犯について述べてまいります。
 交通安全対策については、関係団体との連携を密にし、交通弱者といわれる子ども・高齢者の交通安全教育の徹底を図るとともに、事故防止のための交通安全運動を展開してまいります。

 また、今もなお全国的に高齢者の自動車運転操作ミス等による痛ましい事故が発生していることを踏まえ、運転に不安のある70歳以上の高齢者を対象に、引き続き、高齢者運転免許証自主返納支援事業を推進してまいります。

 防犯については、被害の未然防止に向け、警察、地域及び関係団体との連携を一層密にし、安全で安心して暮らせるまちづくりを目指してまいります。また、外灯については、外灯組合や町内会等とともに維持管理に努めてまいります。

 次に、消防・救急・防災について述べてまいります。
 消防及び救急については、昨年、新型コロナウイルス感染症の拡大により中止となりました渡島消防総合訓練大会が令和3年6月19日に東大沼多目的グラウンド「トルナーレ」において開催されることになったことから、支援してまいります。
 また、大沼分遣所に配備されている水槽付消防ポンプ自動車の老朽化が目立つことから更新してまいります。

 防災については、近年多発する自然災害に対応すべく町内全地域の防災行政無線の整備に取り組んでいるところですが、本年度に整備を終え、運用してまいります。また、防災に対する住民の意識と知識の向上のために、町広報誌やホームページを通じ、防災情報を発信するとともに、令和3年1月に全戸配布いたしました「七飯町防災ハザードマップ」を活用し、町内会等へ啓発してまいります。

 さらに、新型コロナウイルス感染症など、感染症が蔓延した状況での避難所の対策や住民避難訓練の実施方法など防災対策を見直すほか、避難行動要支援者の確実な把握と、対象者の避難計画について、地域住民や関係機関とともに進めてまいります。

 次に、情報ネットワークについて述べてまいります。
 情報ネットワークについては、高速インターネット網が未整備であった鶴野地区・豊田地区について、民設民営方式で光ケーブルによるインターネット環境を整備してまいります。

 また、総合行政情報システムを更新するとともに、更なる経費削減のため他団体との共同利用方式による自治体クラウドの構築を進めるほか、複雑かつ多様化するICT関連業務は今まで以上に専門的な知識が必要となることから、その一部を民間へ委託し、安定的な業務運営を目指してまいります。

 マイナンバーカードについては、オンラインによる税の確定申告、コンビニエンスストアでの戸籍関係証明書等交付サービスなどの利用のほか、医療機関等での健康保険証としての利用が順次可能となることから、一層の普及に努めてまいります。

第2 快適なまち

 はじめに、環境施策の総合的推進について述べてまいります。
 環境保全対策については、ラムサール条約登録湿地である大沼の豊かな自然環境を次世代につなぐため、「大沼ラムサール協議会」や「大沼環境保全対策協議会」をはじめ、関係機関との連携を密にし、環境保全の施策を進めてまいります。

 また、大沼の環境学習の一環として、大沼岳陽学校の子どもたちを対象に編成された「大沼ラムサール隊」については、自然環境観察などを通した「大沼学」を実践し、ふるさとの魅力に気づき成長できる人材の育成に努めてまいります。

 大沼の水質浄化対策については、引き続き、北海道と連携し、湖水や流入河川の監視と測定を行い、その結果や現場の状況に合った改善対策を実施するなど、大沼環境保全計画に基づいた水質浄化に努めてまいります。

 下水道処理区域外の生活排水対策については、引き続き、合併処理浄化槽の設置を推進し、公共用水域の水質汚濁防止と生活環境の保全に努めてまいります。

 次に、循環型社会の構築について述べてまいります。
 廃棄物対策については、引き続き、分別の徹底やリサイクルによる資源の再利用を推進し、ごみの減量化に努めるとともに、不法投棄防止と合わせ、住民、事業者及び行政が一体となって取り組んでまいります。

 また、ななえ斎苑は、長寿命化計画に基づき設備の改修工事を施工し、リサイクルセンターは進入路の損傷が目立つことから補修工事を施工してまいります。

 次に、上下水道の整備について述べてまいります。
 水道事業については、水道施設の適切な維持管理や老朽化に伴う更新を行い、継続的な水の供給に努めてまいります。
 また、昨年に引き続き、新たな水源施設を整備し、さらに安定的な水の確保を図ってまいります。

下水道事業については、下水道施設の適切な維持管理のほか、長寿命化計画に基づき「大沼下水浄化センター」の更新工事を効率的に進めてまいります。
 また、昨年度から地方公営企業法適用となったことから、経営状況を踏まえ、下水道使用料の見直しについて検討してまいります。
 

第3 ふれあい・安心のまち

 はじめに、保健・医療体制の充実について述べてまいります。
 保健については、社会環境や生活の変化による様々な健康課題に向けて、町民一人一人が主体的に健康づくりや食生活の改善を目指すことができるよう、家庭や地域活動等に対して、行政、関係機関が一体となって、引き続き、第3期健康づくり基本計画に基づく事業を推進してまいります。

 その主な取り組みとして、生活習慣の改善は非常に重要であることから、高血圧や高脂血症などの生活習慣病を予防するためのヘルシー教室の開催、また、疾病の早期発見や重症化の予防に重点を置き、自分自身が健康管理を意識し、定期的かつ継続的な健診をより多く受けて頂くため、基本健康診査の自己負担額を引き続き無料とし、更なる受診率の向上に努めてまいります。

 母子保健については、妊婦・産婦健康診査や産後ケアの実施に加え、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない子育て支援を行うため、保健センター内に「子育て世代包括支援センター」を令和2年10月に開設しました。引き続き、妊娠・出産・子育てに関する各種の相談に応じ、必要な情報提供・助言、保健指導を行う体制の強化を図ってまいります。
 
 また、5歳児に即した健やかな成長発達を確認し、就学に向けた準備の契機とすることを目的とした5歳児健診事業の推進については、保健師・町内幼保職員等が協力し合い、健診後のケアや就学までのサポート支援、関係機関との連携体制が整ったことから本年度より新たに実施してまいります。
 
 新型コロナウイルスワクチン接種事業については、町民の安全・安心、健康を第一に、国、北海道及び医療機関と連携し、接種に係る案内の発送、予約受付業務作業の強化、ワクチン管理の徹底や効率的な接種方法の実現に向け、円滑な事業体制の構築を目指します。

 特に高齢者となる65歳以上の方や基礎疾患を有する方の優先的な接種を図り、16歳以上65歳未満の方への接種については、速やかに移行できるよう努めるとともに相談体制を確立いたします。接種方法としては、町内外における医療機関での個別接種や必要に応じ集団接種の実施を検討するなど、新型コロナウイルス感染症の早期収束に向けた第一歩となる事業を進めてまいります。

 次に、地域福祉について述べてまいります。
 地域福祉の更なる充実に向けて、第4期総合保健福祉計画に基づき、地域における課題の解決や共助の促進を図るため、関係団体などと連携し、引き続き、要援護者支え合い事業やボランティアポイント事業をはじめとした施策を推進するとともに、「相談しやすい環境」・「専門職の連携」・「切れ目ない支援」・「町民の社会参加支援」の4つを柱に重層的支援体制整備事業を展開し、子ども、障がいのある方及び高齢者を地域の皆様と行政が一体となって支え合う「地域共生社会」の実現を目指してまいります。

 次に、高齢者福祉について述べてまいります。
 新たに策定した高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画に基づき、介護や支援が必要になっても、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、介護予防事業や外出支援サービス事業のサービスの確保に努めるとともに、介護・福祉人材確保への支援を行ってまいります。また、老人クラブ・老人クラブ連合会が行う健康・友愛・奉仕活動を支援してまいります。

 介護保険事業については、介護保険サービスの利用ニーズを把握し円滑な事業運営に努めてまいります。
 また、「地域共生社会」の実現に向け、関係機関との協働による包括支援体制の構築に向けた実施体制の整備を進めるとともに、認知症の方やひとり暮らし高齢者の増加に比例して、成年後見制度の利用の必要性も高まりつつあることから、成年後見制度利用促進支援機能の充実を図ってまいります。

 介護予防と生活支援においては、有償ボランティアによる生活援助と外出支援を組み合わせた生活支援サポート事業の充実を図り、地域住民による地域介護予防活動支援事業を引き続き、支援してまいります。

 次に、障がい者福祉について述べてまいります。
 新たに策定した第6期障がい者福祉計画・第2期障がい児福祉計画に基づき、「地域共生社会」の実現に向け、これまでの施策に加え、近年の高齢化や核家族化が進むとともに、障がいのある方の増加と高齢化がみられ、それに伴って障がい福祉ニーズが多様化している傾向にあることから、基幹相談支援センターに関係団体との調整を担う専門員を配置し、地域の多様なニーズに対応できる体制を確保し、地域全体で支えるサービス提供体制を構築してまいります。

 次に、社会保障について述べてまいります。
 国民健康保険特別会計については、予防のための健診を積極的に推し進めるため、引き続き特定健診における受診勧奨や自己負担を無料とし、また、人間ドック及び脳ドックの継続など、病気の早期発見、早期治療による医療費の抑制に努めながら、健全な運営を目指してまいります。

第4 育むまち

 はじめに、子育て支援の充実について述べてまいります。
 国の施策となる幼児教育・保育の無償化が実現したことに伴い、幼児期の教育・保育を提供する体制の確保、地域子ども・子育て支援事業の実施を総合的・計画的に行うため、令和元年度に策定した「第2期七飯町子ども・子育て支援事業計画」に基づき、さらに子育て支援サービスの充実を図ります。

 放課後児童健全育成事業については、公立及び民間の学童保育クラブが連携し、地区単位での待機児童解消に向けた取り組みを進めてまいります。
 具体的には、民間の学童保育クラブを利用する保護者に対して、公立と民間の利用料差額の2分の1相当を助成し、保護者負担を軽減してまいります。

 本町地区と大中山地区それぞれの「子育て支援センター」及び大沼多目的会館で実施している「ちびっこ広場」を地域子育ての支援拠点として、子育てに関する相談や情報提供、「あそんでSUNDAYパパ」など楽しく子育てができるよう子育て世代を支援してまいります。

 児童虐待防止については、情報の収集や児童相談所、教育委員会、保育所などの関係機関と情報の共有化を図り、子育て支援ネットワーク会議を活用し、一体となって対策強化に努めてまいります。

 次に、教育関係について述べてまいります。
 教育関係については、教育長からの教育行政方針において、学校教育、生涯教育、スポーツ振興など詳細に示されておりますので、尊重してまいります。

 学習面や諸行事などにおいては、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明なことから、感染状況を見極めて必要な費用等を支援してまいります。

 また、町内中学生を対象に平和教育事業の一環として取り組んでいる広島、長崎への平和大使派遣事業と国際交流及び国内交流については、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明なことから、感染状況を見極めながら対応してまいります。

第5 活気とにぎわいのまち

 はじめに、農林水産業の振興について述べてまいります。
 農業については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う不要不急の外出自粛や海外渡航者の入国規制により、外食産業に多大なる影響を及ぼし、農畜産物の消費にも大きな影響がありましたが、集出荷予冷施設の稼働などにより野菜取扱額が6年連続30億円を超え、特に昨年は40億円を超えております。
 七飯町ブランドとして消費者に対し、産地の差別化と高品質で安全で安心な農畜産物の生産・出荷に努めてまいります。

 林業については、森林環境譲与税と七飯町森林環境譲与税基金を財源として、森林経営管理者意向調査など民有林整備に向けた事業を実施してまいります。

 また、各種町有林事業等を実施するほか、災害・防災対策として治山事業の要望を行ってまいります。

 大沼の内水面漁業については、生態系への影響が無いよう漁業資源の確保に注視しつつ、大沼環境保全対策協議会をはじめとする関係機関と連携し、水質改善にかかる活動等を支援してまいります。

 次に、商工業について述べてまいります。
 商工業については、町内の経済及び雇用を支えるなど地域経済を担っている中小企業の経営の安定化を図るため、引き続き商工業経営安定資金貸付や商工業経営安定融資保証料補給金及び利子補給金の給付を実施するほか、七飯町商工会をはじめとする関係団体と相互に連携し、支援してまいります。
 
 また、地域経済の活性化や若者の起業促進を図るため、公益財団法人函館地域産業振興財団などと協力し、引き続き「創業バックアップ事業」に取り組むとともに、豊かな資源や交通利便性の高さなどの立地条件を紹介し、函館地域経済牽引事業促進協議会における事業とともに企業誘致を進めてまいります。
 
 物産振興については、ななえ町物産振興協議会の活動を支援するなど、地元特産品のPR、販路拡大に取り組んでまいります。

 次に、観光について述べてまいります。
 観光については、大沼国定公園を中心とした優れた自然を活かした体験メニューや近隣市町と共同した広域観光ルートの開発に取り組むほか、観光案内表示の整備やSNSなどを活用し、広く七飯町の魅力を発信してまいります。
 
 また、これまで大沼国定公園を管理運営しておりました一般財団法人自然公園財団が、赤字が膨らみ収支の改善が見込めないとのことから撤退となり、本年度から所有者である北海道が管理することになりました。これまで同様の景観を保持するためには、清掃等の相当額の維持管理費用が必要なことから、町及び地域においても応分の負担を行い、関係団体が一体となり魅力のある観光地づくりに努めてまいります。

 また、大沼などで開催されているイベント等については、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明なことから、感染状況を見極めながら対応してまいります。

 次に、雇用対策について述べてまいります。
 雇用対策については、ハローワークと連携し、町内の求人情報の周知に努めるほか、南渡島通年雇用促進支援協議会を通じて、通年雇用に必要な資格や技術向上を図るための技能講習などを実施し、就労と雇用の促進を図るほか、新型コロナウイルス感染症の影響による失業については経済状況を注視し対応してまいります。

 また、七飯町シルバー人材センターと連携し、健康で働く意欲のある高齢者の多様な経験を活かし、安定した活動が継続できるよう支援してまいります。

 次に、消費者対策について述べてまいります。
 町内の消費拡大と町内企業への活力を与えるため、「あかまつ街道納涼祭」、「ななえ町物産グルメ発表会」、「チビッコ雪まつり」などのイベントを支援してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明なことから、感染状況を見極めながら対応してまいります。

第6 ともに歩むまち

 はじめに、協働のまちづくりについて述べてまいります。
 まちづくりは、町民と行政と議会が協力し合い、自ら考え、行動し、汗を流す協働の考えが必要であります。
 このことからも出前町長室を引き続き実施すべきと考えますが、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明なことから、感染状況を見極めながら実施してまいります。

 次に、自立する自治体経営について述べてまいります。
 歳入の見通しについては、一般財源の根幹を成す住民税や固定資産税が新型コロナウイルス感染症の影響により減収が見込まれます。平成20年のリーマン・ショックに伴う景気後退時には2年連続で住民税の減収となったことから、新型コロナウイルス感染症の影響による税収等の減収も複数年続くと予想されます。

 税収等の減収が見込まれる中での歳入の確保として、利活用の計画が無い町有財産の処分をはじめ、第6次行財政改革大綱に沿って、将来にわたって持続可能な行財政基盤の構築を図るため、使用料及び手数料の見直し、公共施設の休館日の見直しや照明器具のLED化などに継続的に取り組むほか、「ふるさと納税」の返礼品の見直しや「企業版ふるさと納税」へ取り組むなど、財源の確保に努めてまいります。
 

4 むすび

 以上、本年度の町政執行についての所信と主な施策の概要について、述べさせていただきました。

 新型コロナウイルス感染症は、都市圏での急拡大により、全国的に蔓延し、人々の往来にブレーキがかかり、今もなお収束の兆しが見えない中、社会経済に大きな打撃を与え続けています。

 新型コロナウイルスワクチン接種の効果に期待しつつも、コロナ禍における新たな日常の受け入れとして、新生活様式を一人一人が継続することによって、早急な社会経済の回復に繋がるものと考えます。

 七飯町においても、自粛生活の長期化により、社会経済に多大な影響を受け、国の地方創生臨時交付金や財政調整基金を財源に多岐にわたり対策を講じていますが、国の都市圏への緊急事態宣言や北海道の新型コロナ集中対策期間などにより、観光業や飲食業を中心に多大な打撃を受けており、さらに底辺が拡大することも考えられ、国の更なる財政的支援を期待するものです。

 このような悲観的な状況にあって、中島地区に不織布マスク工場及び大中山地区に七飯町産の酒米を原料とする地元に根ざした酒蔵が稼働したほか、峠下地区に計画されている宿泊を兼ね備えた温浴施設については、感染対策に考慮した施設の設計変更により、令和4年度の開業予定と延期になりましたが、地域の活性化に寄与されるものと期待しております。
 
 また、残念ながら撤退となりました北海道昆布館の跡地については、新たな企業等の誘致・立地に向けて活動してまいります。

 閉塞感の漂うコロナ禍の状況ではありますが、見直しました「第5次七飯町総合計画」後期計画に沿って、「災害に強い安全で安心なまち“七飯町”」、「住みたいまち・住み続けたいまち“七飯町”」が実感できるよう、知恵を出し、工夫を重ね、力を合わせて努めてまいりますので、議会の皆様をはじめ町民の皆様の力強いご支援ご協力をお願い申し上げ、本年度の施政方針といたします。

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