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令和4年度 七飯町施政方針

七飯町長 杉原 太

1 はじめに

 令和4年第2回七飯町議会定例会の開会に当たり、本年度の町政執行に臨む基本姿勢と施策の一端を申し述べ、議会議員の皆様をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 
 3月27日に執行されました町長選挙において、多くの町民の皆様より温かいご支持、ご支援をいただき、4月17日より新たに町政運営を担わせていただくことになりました。感激もひとしおであると同時に、改めて責任の重さに身の引き締まる思いであります。

 これまで皆様と共に歩んだ知識や経験のほか40年余りの行政経験を生かして、「未来に向かって輝く七飯町」を先頭に立って築いてまいります。

 「未来に向かって輝く七飯町」実現のため、私が掲げた政策は5点であります。
 1点目に人生100年時代を見据え、健康的に人生を送るため文化・芸術・スポーツに親しむ環境づくりに取り組み「生きがいと健康寿命を高める町」、
 2点目に子どもたちの健康と子育て世代を応援し「子育てを楽しむ町」、
 3点目に農業・観光など基幹産業の振興のため、七飯ブランドの確立と担い手の確保・人材育成を進め「地域経済が元気になる町」、
 4点目に町民に寄り添う優しい町政、気候変動に即応した効率的な防災マネジメントを推進し「安心して暮らせる町」、
 5点目にバランスの取れた計画的かつ効率的な行財政運営による「堅実な町政を推進する町」であります。

 このたびの町長選挙を通じてまちづくりに対する想いを訴えさせていただき、町民の皆様から多くの力強い激励や厳しい意見を賜りました。
 本年度のみで実現できることには限りはあるかもしれませんが、七飯町を取り巻く様々な課題は待ってはくれません。町の発展のためには何がベストなのか。そして町民の皆様が納得できるサービスが提供できているのか。このことを肝に銘じながら、スピード感を持って、「未来に向かって輝く七飯町」の実現のため、「町民の声を生かして創る七飯町」を基本に、誠心誠意努めてまいりますので、議会議員の皆様及び町民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2 町政に臨む基本方針 

 “未来に向かって輝く”には、まずは先人が歩んで来た歴史や文化など、過去から学び、それを現代で発展させていくことが、将来に希望を持てる持続的な町政運営となります。革新的な技術もありますが、先人が培ってきたノウハウなど町民の声も生かしてより良い行政サービスを目指してまいります。

 本年度は、新たなスタートの年となります。職員一同、新たなチャレンジを臆することなく推し進めてまいります。
 第5次七飯町総合計画に七飯町が進む方向性が示されておりますが、先人がこれまで思慮を重ね立案し、育ててきた事業や行政サービスをより良いものとするため、これまでと違った視点を生かしながら、職員の先頭に立って施策を実行してまいります。
 
 防災に対する意識の醸成も大切です。東日本大震災や日本各地で起きた災害では、人命の尊さが改めて大きく問われました。安全安心の確保は、七飯町の最も基本的な責務であり、小中学校など義務教育施設の100パーセント耐震化をはじめ、老朽化した公共施設の改築や耐震化等の対策をスピード感をもって実施したことにより、一定程度の施設更新は進められたものの、いまだ老朽化した施設があり、文化や芸術、スポーツに親しむ環境は十分ではありません。

 また、数々の選挙公約をさせていただきましたが、その実現に向け速やかに具体的検討を行いながら準備が整い次第、事業に着手してまいります。

 昨今、人口減少が喫緊の大きな課題となるなか、令和2年に実施し、昨年11月に確定した国勢調査での人口は、27,686人であり、前回調査時の平成27年から比べて434人の減少であったものの、その減少率は約1.5パーセントで、渡島管内11市町全体の減少率6.0パーセントに対して、七飯町は最も低い減少率でありました。今後も、令和2年3月に策定した第2期七飯町まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、企業誘致、教育の充実、産業の育成など多岐にわたり波及効果が大きい施策に力を注ぐことで人口減少の進行を微減にとどめられるよう、次の4つの基本的視点により、具体的な施策を引き続き実行してまいります。

  1. 子どもを生み育てたいという希望をかなえる。
  2. 住み続けたいと思える生活環境を整える。
  3. 食や観光をはじめとする力強い産業と雇用の場をつくる。
  4. 七飯町らしさを活かして人を呼び込み・呼び戻す。

 人口減少への対応のほかにも、コロナ禍という様変わりした「新しい生活様式」の下ではありますが、住環境の整備、子育て支援、地場産業の育成、企業誘致など波及効果が期待される事務事業に取り組んでまいります。

 長期化する新型コロナウイルス感染症への対策としては、地方創生臨時交付金を活用し、補正予算等で対応してまいります。

 また、令和3年度からの5年間は「第5次七飯町総合計画」の後期となることから、後期5年間で計画されている事業の着実な取組を継続するとともに、世界中で大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症への対応として「新しい生活様式」への転換など、めまぐるしく変化する社会経済情勢にも対応し、様々な施策を展開してまいります。

 令和4年度の町政に臨むに当たり、安定した財政運営を基盤として進めさせていただき、詳細な施策につきましては、「主要施策の推進について」でご説明申し上げますが、事務事業の優先順位を見極めながら、政策予算を編成いたしましたので、ご理解ご協力のほどお願い申し上げます。

3 主要施策の推進について

 本年度の主要施策については、町政運営の指針であります第5次七飯町総合計画の基本構想及び基本計画に沿って、ご説明申し上げます。

第1 安全・便利なまち

 はじめに、道路・交通ネットワークについて述べてまいります。
 
道路の整備については、関係機関と連携を図りながら、安全で安心な交通網の形成に努めてまいります。
 
本年度の町道整備として、橋梁長寿命化関連で2橋梁の修繕事業、久根別川広域河川改修事業に伴う道負担金事業で2橋梁の架替事業、単独事業で11路線の改良舗装及び排水整備工事を施工してまいります。

 国道については、北海道縦貫自動車道大沼公園インターチェンジから七飯インターチェンジ間のトンネル工事の本坑工事も着手されますが、更なる早期完成を要望してまいります。

 道道については、大沼公園鹿部線、大沼公園線及び大野大中山線の整備促進について、引き続き、北海道に要望してまいります。

 河川については、北海道が事業主体の久根別川広域河川改修事業のほか、藤城川、水無沢川及び蒜沢川の砂防事業の整備促進について、引き続き、関係機関に対し要望してまいります。町河川については、2河川の浚渫工事、1河川の排水路整備のほか、維持、補修工事についても施工してまいります。

 また、令和3年度末に、函館・江差自動車道木古内インターチェンジが開通し、函館新外環状道路函館空港インターチェンジ開通と合わせて、道の駅「なないろ・ななえ」を拠点としたアクセスが向上したことにより、南北海道の周遊観光や物流などにおいて大きな効果があるものと期待しております。

 地域公共交通については、超高齢社会に対応した地域の足の確保が重要であり、昨年発足した七飯町地域公共交通活性化協議会では、7月に町内4か所で町民意見交換会を開催するなど、より多くの皆様の意見を反映した地域公共交通計画の作成に向けて検討を重ねていただき、七飯町の現状にあった地域公共交通の実現に努めてまいります。

 次に、住宅・市街地の整備について述べてまいります。
 空き家対策及び住み替え対策については、「七飯町空家等対策計画」に基づき、空き家の適正管理を所有者等にお願いするとともに、周辺環境に影響を与える恐れのある危険な特定空き家の解消や旧耐震基準である昭和55年以前に建築された住宅の建て替え促進を図るため、解体費の助成制度を拡充してまいります。

 公営住宅の整備については、冬トピア団地長寿命化工事の最終年となる10棟目を施工するほか、桜B団地8号棟及び本町上台団地6号棟の屋根や外壁の改修工事を引き続き施工してまいります。

 次に、交通安全・防犯について述べてまいります。
 交通安全対策については、家庭や地域、学校、そして関係諸団体等と連携を密にし、交通弱者といわれる児童・生徒・高齢者の交通安全教育の徹底を図るとともに、事故防止のため交通安全運動を展開してまいります。

 また、今もなお全国的に高齢者による運転操作ミス等の痛ましい事故が発生していることを踏まえ、運転に不安のある70歳以上の高齢者を対象に、引き続き高齢者運転免許証自主返納支援事業を実施し、自主的に運転免許証を返納しやすい環境づくりに努めてまいります。

 防犯については、被害の未然防止に向け、警察や地域及び関係団体等との連携を一層密にし、安全で安心して暮らせるまちづくりを目指してまいります。また、外灯のLED照明については、外灯組合や町内会等、関係団体と協働し、維持管理に努めてまいります。

 次に、消防・救急・防災について述べてまいります。
 消防及び救急については、七飯消防署に令和6年度整備予定の油圧救助器具購入経費に充当するための基金を、昨年度に引き続き積み立ててまいります。

 防災については、昨年度町内全域に屋外スピーカー50基及び戸別受信機4,500台の整備を終えた防災行政無線について、いざという時に効果的な運用ができるよう、町広報紙やホームページを通じ、防災情報を発信するとともに、適正な維持管理に努めてまいります。
 また、避難行動要支援者の個別避難計画について、地域住民や関係機関のご協力をいただきながら進めてまいります。

 次に、情報ネットワークについて述べてまいります。
 情報ネットワークについては、転入出や介護・子育てに関する各種届出・申請のオンライン化など、町民の利便性の向上と行政の効率化を高めるため、DX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進してまいります。

 マイナンバーカードについては、オンラインによる税の確定申告、コンビニエンスストアでの戸籍関係証明書等交付サービスなどの利用のほか、医療機関等での健康保険証としての利用が順次可能となったことから、一層の普及に努めてまいります。

第2 快適なまち

 はじめに、環境施策の総合的推進について述べてまいります。
 
有害鳥獣駆除については、鳥獣被害防止計画に基づき、鳥獣被害対策実施隊と連携して、人身被害の防止はもとより、農業被害の防止に取り組んでまいります。

 
大沼環境保全対策については、大沼の豊かな自然環境を次世代につなぐため、大沼環境保全対策協議会をはじめ、関係機関との連携を密にし、環境保全の施策を進めてまいります。
 また、大沼がラムサール条約登録湿地に登録されて今年7月に10周年を迎えることから大沼ラムサール協議会が実施する記念事業を支援してまいります。
 さらに、大沼の豊かな自然環境を町外の方に広く知っていただき、七飯町の関係人口拡大に向けて移住体験の提供を実施してまいります。

 大沼の水質浄化対策については、北海道と連携し、湖水や流入河川の監視と測定を行い、その結果や現場の状況に合った改善対策を実施するなど、大沼環境保全計画に基づいた関係機関の施策と連携して水質浄化に努めてまいります。

 下水道処理区域外の生活排水対策については、公共用水域の水質汚濁防止と生活環境の保全に努め、合併処理浄化槽の設置推進を図ってまいります。

 次に、循環型社会の構築について述べてまいります。
 廃棄物対策については、持続可能な循環型社会の構築を目指して、分別の徹底や見直し、リサイクルの推進による資源の再利用を促進し、ごみの減量を図り、また、不法投棄の防止等に住民、事業者、行政が一体となって取り組んでまいります。

 また、社会環境の変化や超高齢社会を迎え町内会から要望のあったごみステーションの増設については、町内会コミュニティ専門部会と協議し連携して実施してまいります。

 次に、脱炭素社会の推進について述べてまいります。
 世界的に脱炭素社会の実現に向けた動きが加速するなか、地球温暖化の問題に地域レベルで貢献するため、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロ「ゼロカーボンシティ」を目指し、省エネルギー施策や森林環境整備等、長期的な視点で取り組んでまいります。

 次に、上下水道の整備について述べてまいります。
 水道事業については、水量・水質が確保された水道水を安定供給するため、施設の適切な維持管理や老朽化に伴う更新を行うほか、資材・労務費の高騰を踏まえ、今まで以上に効率化を進めるとともに、安定経営のため七飯町公営企業経営審議会を通じ水道料金の見直しについて検討してまいります。

 下水道事業については、施設の適切な維持管理のほか、下水道使用料改定等の情報発信に努めてまいります。
 また、七飯町公営企業経営審議会より答申された特環下水道の汚水処理方式について、より効率的かつ環境にも配慮した処理方式の検討を進め、新たな方式が確立されるまでの期間は、既存施設について各種計画等に基づき必要最低限の更新工事を効率的に進めてまいります。

第3 ふれあい・安心のまち

 はじめに、保健・医療体制の充実について述べてまいります。
 保健については、社会環境や生活の変化による様々な健康課題に向けて、町民一人一人が主体的に健康づくりや食生活の改善を目指すことができるよう、家庭や地域活動等に対して、行政、関係機関が一体となって、第3期健康づくり基本計画に基づく事業を引き続き推進してまいります。

 主な取組として、生活習慣の改善は非常に重要であることから、高血圧や高脂血症などの生活習慣病を予防するための保健指導や栄養相談、また疾病の早期発見や重症化の予防に重点を置き、定期的かつ継続的な健診をより多く受けていただくため、基本健康診査の自己負担額を引き続き無料とし、更なる受診率の向上に努めてまいります。

 母子保健については、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない子育て支援を行うため、保健センター内に設置されている「子育て世代包括支援センター」において、妊娠・出産・子育てに関する必要な情報提供・助言、保健指導を行ってまいります。

 児童の健診等については、3歳児健診時における視覚検査において、精度の高い屈折検査機器の導入を図り、弱視の早期発見から速やかに治療へと導く新たな検査方法を取り入れてまいります。

 また、健やかな成長の確認とともに、就学に向けた準備を目的とする5歳児健診事業の推進については、保健師・町内幼保職員・教育委員会や学校などの関係機関が協力し合い、健診後のケアや就学までのサポート支援を行うなど、町独自の施策として継続的に実施してまいります。

 新型コロナウイルスワクチン接種事業については、現在4回目接種の実施に取り組んでおり、町民の安全・安心、健康を第一に、国、北海道及び医療機関と連携し、これまで取り組んできた知識と経験を生かしながら、効率的な事業実施に努めてまいります。

 次に、地域福祉について述べてまいります。
 誰もが可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けることができるよう、制度・分野ごとの縦割りや「支え手」「受け手」という関係を越えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を越えて継続的に拡大してつながることで、町民一人一人の暮らしと生きがいを共に創っていく重層的支援体制整備事業を引き続き展開してまいります。特に3つのアプローチである「子ども、障がいのある方、高齢者及び生活が困窮状態にある方など属性を問わず包括的に相談を受け止める相談支援」、「課題を抱えた方や世帯を地域とつなぐ参加支援」、「世代や属性を越えて交流できる場や居場所を確保する地域づくり支援」を推進し、地域共生社会の実現を目指してまいります。

 次に、高齢者福祉について述べてまいります。
 コロナ禍において大きな影響を受けてきた介護予防・フレイル予防については、人生100年時代を見据えた高齢者の健康増進を図るため、感染拡大防止対策を講じたうえで、高齢者が主体的に取り組めるよう、引き続き支援してまいります。
 さらに、元気な高齢者が、老人クラブ・老人クラブ連合会などで行う健康・友愛・地域貢献活動などを通して、生きがいをもって生活することで、いつまでも健康を維持できるよう支援してまいります。

 介護保険事業については、介護サービスを支える人材の確保が喫緊の課題であることから、引き続き、介護職員初任者研修受講補助事業を実施してまいります。また、高齢化とともに増加する認知症の方やその家族を支援する生活支援のほか見守り活動の強化を図ってまいります。

 介護予防と生活支援においては、有償ボランティアによる生活援助と外出支援を組み合わせた生活支援サポート事業の充実を図り、地域住民との協働による地域介護予防活動支援事業を引き続き支援してまいります。

 次に、障がい者福祉について述べてまいります。
 基幹相談支援センターと連携しながら、障がいのある方やその家族の方々が身近なところで相談でき、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、サービス提供体制を構築し、障がいの有無にかかわらず、共に暮らし、支え合う地域づくりを目指してまいります。

 次に、社会保障について述べてまいります。
 
国民健康保険特別会計については、保険税率を見直し、共同保険者である北海道の標準保険料率に段階的に近づけることを念頭に、令和4年度の保険税率の引き下げを実施いたします。また、医療費適正化対策として、予防のための健診を積極的に推し進めるため、引き続き、特定健診の受診勧奨や自己負担を無料とし、併せて、人間ドック、脳ドック、高齢者インフルエンザ予防接種助成事業の継続など、病気の早期発見、早期治療により、増加する医療費の抑制に努めながら、健全運営を目指してまいります。

第4 育むまち

 はじめに、子育て支援の充実について述べてまいります。
 安心して子育てができる環境の確保を目指し、保育に係る現状や将来ニーズの分析を行い、町内で運営されている幼稚園との連携を図りながら、認定こども園化の推進を目指すなど、待機児童を発生させない対策の強化を図ってまいります。
 併せて町内保育園の完全給食化を目指す協議も進めてまいります。

 放課後児童健全育成事業については、公立及び民間の学童保育クラブが連携し、地区単位での待機児童解消に向けた取組を進めてまいります。

 具体的には、民間の学童保育クラブとの均衡を保つため、適正な利用料金に見直すとともに、公立と民間の利用料差額の1/2相当を助成するなど、引き続き保護者への負担を軽減してまいります。

 本町地区と大中山地区それぞれの「子育て支援センター」及び大沼多目的会館で実施している「ちびっこ広場」を地域子育ての支援拠点として、子育てに関する相談や情報提供、「あそんでSUNDAYパパ」など楽しく子育てができるよう子育て世代を支援してまいります。

 児童虐待防止については、情報の収集や児童相談所、教育委員会、保育所などの関係機関と情報の共有化を図り、子育て支援ネットワーク会議を活用し、一体となって対策強化に努めるとともに、新たに、国から示されております「子ども家庭総合支援拠点」を10月1日に開設し、子どもと保護者に寄り添った支援を展開してまいります。

 次に、教育関係について述べてまいります。
 教育関係については、教育行政方針において、学校教育、生涯教育、スポーツ振興など詳細に示されておりますので、尊重してまいります。

 第5次七飯町総合計画に基づく社会教育施設整備については、検討を重ねるとともに、必要な財源の一部については、社会教育施設整備基金へ計画的に積み立ててまいります。

 また、町内中学生を対象に平和教育事業の一環として取り組んでいる広島、長崎への平和大使派遣事業と、中高校生を対象とした姉妹都市コンコード町への海外交流派遣研修事業については、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明なことから中止させていただきますのでご理解願います。また、国内交流についても新型コロナウイルス感染症の状況を見極めながら対応してまいります。

第5 活気とにぎわいのまち

 はじめに、農林水産業の振興について述べてまいります。
 農業については、昨年は、コロナ禍において不要不急の外出自粛により、巣ごもり需要がありましたが、外食産業の多大な落ち込みにより、農畜産物の価格が低迷するなど大きな影響を受けました。
 今後も規制緩和による消費拡大など継続的に食料の安定供給が求められるなか、担い手の確保や、集出荷予冷施設の活用により、引き続き消費者に対し、産地の差別化と高品質で安全、安心な農畜産物の生産・出荷に努めてまいります。

 林業については、森林環境譲与税や七飯町森林環境譲与税基金を財源とした、木育支援活動や二酸化炭素吸収源としてカーボンニュートラルにも寄与する民有林の整備に向けた事業を実施してまいります。

 また、北海道から2年間、林務行政に精通した職員を派遣いただき、組織体制を強化しつつ、七飯町森林組合と連携し各種町有林事業等を実施してまいります。併せて、災害・防災対策の一環として治山事業の要望を行ってまいります。

 大沼の内水面漁業については、生態系への影響がないよう、漁業資源の確保に注視しつつ、大沼環境保全対策協議会をはじめ関係機関と連携し、水質改善にかかる活動等を支援してまいります。

 次に、商工業について述べてまいります。
 商工業については、「七飯町商工業経営安定資金融資制度」の融資上限額の拡大や利子補給金の拡充により、中小企業の資金需要に対応し経営の安定化を図ってまいります。

 また、公益財団法人函館地域産業振興財団などと協力し、引き続き「創業バックアップ事業」をはじめとした各種事業に取り組むほか、函館地域経済牽引事業促進協議会における事業などで、豊かな資源や交通利便性の高さなどの立地条件をアピールした企業誘致を進めるなど、地域経済の活性化に取り組んでまいります。

 物産振興については、ななえ町物産振興協議会の活動を支援するほか、特産品を活用した企画や情報発信に取り組み、魅力の向上と販路の拡大に努めてまいります。

 次に、観光について述べてまいります。
 観光については、大沼国定公園に代表される豊かな自然をはじめ、四季を通じたアクティビティや恵み溢れる食など様々な視点から七飯町の魅力を発信してまいります。

 また、大沼国定公園周辺の地域資源や既存の公共施設の利活用について、一般社団法人七飯大沼国際観光コンベンション協会など関係団体と協議・連携し、更には国定公園の管理者である北海道と連携して自然公園の利活用、観光振興に取り組んでまいります。

 次に、企業誘致と雇用対策について述べてまいります。
 雇用対策については、町内の求人情報の周知などハローワークと連携していくほか、町内企業への人材育成・確保に向けた支援と企業誘致による雇用の創出を目指してまいります。また、南渡島通年雇用促進支援協議会を通じて、通年雇用に必要な資格や技術向上を図るための技能講習などを実施し、就労と雇用を促進してまいります。

 また、七飯町シルバー人材センターと連携し、健康で働く意欲のある高齢者の多様な経験を生かし、安定した活動が継続できるよう支援してまいります。

第6 ともに歩むまち

 はじめに、協働のまちづくりについて述べてまいります。
 
町民と行政と議会が協力し合い、自ら考え行動し、暮らしの声を生かした町民主体の協働のまちづくりが必要であります。
 
新型コロナウイルス感染症の収束の状況を見極めながら、地域懇談会(タウンミーティング)による「町民の声を生かして創る」まちづくりを進めるため、町政運営の参考あるいは町政に反映するためのご意見を拝聴し生かせるような場の設置を検討してまいります。

 
次に、自立する自治体経営について述べてまいります。
 
平成26年10月より部制を導入し、部長職及び次長職の職制の下、各課の懸案事項等の処理を進めてまいりました。しかし、今後の人材確保の課題や組織機構の見直し、行政需要のニーズに的確に対応するため、これまでの部制を廃止し、複数課に跨る重要施策への取組を一層強化するための「統括監(仮称)」及び「教育監(仮称)」の職を必要に応じて設置することができるよう組織・機構の見直しを実施してまいります。

 
また、各課業務の均等化と効率化を図るため、総務財政課及び子育て健康支援課の分課、教育委員会においては、多様化する教育課題に対応するため、学校教育課の分課を実施し、4部20課から23課体制としてまいります。

 
次に、令和4年度6月補正予算の概要について、ご説明申し上げます。
 
今回の補正予算については、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として、地域経済の回復に向けた消費喚起対策(追加分)、食材費等高騰に係る学校給食安定供給事業、感染症拡大防止対策に要する経費などを計上しているほか、令和4年度当初予算(骨格編成)の肉付け予算となる「政策的予算」を盛り込んで編成を行ったところであります。
 
政策予算可決・成立後は、地元中小企業等に配慮した速やかな予算執行に努めるほか、実効性のある工事等の施工を進めてまいります。

 
次に、効率的な行財政運営についてでありますが、財政の健全化に向け、効率的で効果的な行政サービスの提供と、歳入に見合った歳出を基本とした財政を目指し、現在、第6次七飯町行財政改革大綱の取組方針の下、全庁一丸となって行財政改革の取組を進めているところであります。

 
具体的には、町長の給料を20パーセント減額するほか、引き続き、使用料及び手数料の見直し、公共施設の休館日の見直しや照明器具のLED化などへの継続的な取組、「ふるさと納税」や「企業版ふるさと納税」の取組など、さらなる財源の確保に努めてまいります。

4 むすび

 以上、本年度の町政執行についての所信と主な施策の概要について、述べさせていただきました。

 行政の使命は、町民の皆様の安全で安心な暮らしを保障し、より良いものにしていくことであり、このことはいつの時代においても変わるものではありません。

 近代農業発祥の地、日本新三景の大沼国定公園、北海道新幹線の総合車両基地、豊かな自然環境など七飯町の特性や強みを生かした政策展開により、これまで先人たちが築いてきた歴史や文化を次世代に引継ぎ、常に改善・改革を実行し、未来をつくる子どもたちの健やかな成長を願い、七飯町に暮らす全ての町民が「住んで良かった」と思っていただけるよう進めてまいります。

 町民の皆様の暮らしを守るため、議会議員の皆様及び町民の皆様と積極的に対話し、協調と融和によって全職員一丸となって町政を執行してまいりますので、皆様の力強いご支援ご協力をお願い申し上げ、本年度の施政方針といたします。
 

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